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キルヴィングローブ・アートギャラリー&ミュージアム 2
2008/03/30(Sun)
今日のお話は、
キルヴィングローブ・アートギャラリー&ミュージアム 1」からつづきます。


2階へ足を進めると、

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これも、展示物のひとつなんでしょうか。
それとも、館内の装飾のひとつ……?


はじめに訪れたのは、この展示室。

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古代から近代にいたるまで、
世界各地から集めたれた武器、武具の類が展示してありました。

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イギリス各地の博物館、ギャラリーなどで
けっこうお目にかかるこんなのもありましたよ。

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そして、お次は、
スコットランドの自然や人々の暮らしにかんする展示室。

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その昔、イギリスには野生のオオカミが生息していたのでした。
左側には、シカの毛皮も展示されていて、
「やわらかい?それとも、かたい?さわってみてたしかめて」
と書かれているのでした。

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でも、「口をあけてたしかめてみて」とは書かれていないんですけど。

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「スクリーンを使って、影絵で当時のオオカミの姿を影再現してみて」
とも、書かれてはいないんですけれど~。


おやおや、何やら重厚な音色が……。
と思って、展示室を出てみると、
パイプオルガンの演奏がはじまったのでした。


展示物の見学に余念がなかった人々が、
音色にさそわれるようにホールに集まってきました。

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ホールの空気を威圧するように鳴りひびく
パイプオルガンの音色に耳をかたむけ、
1曲演奏が終わるごとに大きな拍手がまきおこりました。


パイプオルガンの演奏が終わると、絵画の展示のコーナーへ。

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あ~。もしかして、あれなんじゃない~っ!

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そうでした。サルバドール・ダリ作、
「Christ of St John of the Cross」
これが、このアートギャラリー&ミュージアムの呼び物。


実は、わたし、16年前にも、
このアートギャラリー&ミュージアムを訪れているのですが、
このダリの絵以外、何を見たかまったく覚えがないのでした。
ですが、この絵だけは、なぜか、しっかりと、
わたしの脳裏に焼きついて残っていました。


そこで、この絵を目にるすのは、はじめてのユインに、


「ねえ。ユイン、これ、ダリだよ。
サルバトール・ダリだよ」



と、興奮気味に声をあげたところが、


「知らない」


「え~っ。知らないの~。
時計がくにゃりとなって枝かなんかにひっかかってる絵とか
あるの知らないの~」



「それは知ってるけどさ。この絵は知らない」


まあ、そう言われれば、そうだった。
わたしも、ここでこの絵を見るまで、
この絵は知らなかった。


けれども、やっぱり、この絵にも、
サルバドール・ダリの不思議な空間がしっかりと描かれている。


こんなふうに世界を見る目をそなえていて、
こんなふうにその世界を描きだせるというのは、
絵のことなんて何も知らないわたしが見ても、
こりゃ、やっぱり、尋常な才能じゃないと驚嘆せずにはいられない。


他にも、数々の絵画が展示されていました。
イタリア絵画の展示室には、

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う~ん。これは、ボッティチェッリ?


こちらは、レンブラント。



かぶとから、アレクサンダー大王だと思われると説明されてました。


絵画のあとは、ちょっと休憩。

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そして、そのあと、階下のギフトショップを見てまわると、
わたしたち一家、アートギャラリー&ミュージアムをあとにして、
道をへだてた筋むかいにある
交通博物館(Museum of Transport)へとむかったのでした。


交通博物館は、3年前にも訪れたので
さほど目新しい展示物はなかったのですが、
イアンがはじめて手に入れた車を懐かしげにながめていたので、

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その車と、

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ユインが見つけたお気に入りの車とユインとのツーショット。


わたしには、特別、興味をひかれるものもなかったのですが、
ふと、目に飛びこんできた、
んっ。これは、まぎれもない日本語!

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ということは、このゲーム機、遠い日本から、
はるばる海をわたって運ばれてきたんだろうな~。

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画面には、バンバン日本語が飛びだしてくるものの、
ここじゃ、だれにも読めやしないよと思っていたら、
ま、まさか。ぼく、読めたんじゃあないよね~。

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でも、がんばってやってみてましたよ、この子……。


いっときに、2つの博物館のかけもちは、
やっぱり、ちょっとヘビーでした。
というわけで、交通博物館の方はくるくるっと見てまわると、
わたしたち一家、帰宅の途につくことにしたのでありました。
今年のイースターの思い出をお土産としてたずさえてね。





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キルヴィングローブ・アートギャラリー&ミュージアム 1
2008/03/28(Fri)
今日は、わたしたち一家がイースターの連休の初日に、
グラスゴーのキルヴィングローブ・アートギャラリー&ミュージアム
(Kelvingrove Art Gallery and Museum)を
訪れたときのもようをおとどけしようと思います。


ところで、今回、わたしたち一家が
グラスゴーのアートギャラリー&ミュージアムに行くことになったのは、
3年前、グラスゴー観光に出かけたときには、
改装中のため閉館していて見学できなかったからなのでした。


ニューキャッスルのわが家から車を走らせること3時間、
到着したのはお昼前、すでに駐車場はいっぱいだったので、
お向かいにある交通博物館の駐車場に車を止め、
アートギャラリー&ミュージアムにむかうと、
まず、グラスゴー大学が見えてきました。

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キルヴィングローブ・アートギャラリー&ミュージアムは、
そのむこう……。

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小雪が舞う寒い日ながら、
アートギャラリー&ミュージアムの前の桜とおぼしき木には、
まばらながら可憐な花をつけていました。

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こちらが、
アートギャラリー&ミュージアムの正面の入り口。

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入場料は、無料。
8000点におよぶ展示物が展示されています。
展示物の数は、3年にわたる改装前の倍になったのだとか。


入り口を入ると、まず目に飛び込んでくるのは、
正面にすえられた巨大なパイプオルガンと壮大な建物の内装……。

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この建物の立つ以前、この場所にはマンション(大邸宅)があったのでしたが、

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その敷地に、この建物自体は、
アートギャラリー&ミュージアムとして建てられたでした。

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中央のホールをとりかこんで、
さまざまなテーマの展示室がならんでいます。

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先史時代や古代エジプト時代から、

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世界各地の自然や文化、民族にかんする展示、

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地元グラスゴー出身の建築家、デザイナー、
チャールズ・レニー・マッキントッシュ(1868-1928)をはじめとする
グラスゴーのデザイナーのコーナーも。

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イギリスにおけるアール・ヌーヴォーの騎手であった
チャールズ・レニー・マッキントッシュのデザインは、
現在でも、しばしばお目にかかる機会がありますが、
まったく古さを感じさせないのが不思議。

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しかも、建築にも、美術にも縁のないわたしなどにも、
これ、マッキントッシュよねと、
ひと目で認識させるほど際だったユニークなデザイン。
って、やっぱり、時代をこえているってことなんでしょうかね。

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まっすぐにのびる直線が曲線の優美さをひき立て、
水の流れを思わせるシンプルデザインには、
清楚な雰囲気がただよって……。

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以前からフェミニンな感じがするなあとは感じていたのですが、
最近になって、マッキントッシュのデザインは、
妻マーガレットによるものがあることを知って、
なるほど~と思ったのでした。


再びホールへもどってきました。

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イアンとユインが肩をならべて見入っているのは、巨大オルゴール。


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さてさて、このあとは、
アートギャラリー&ミュージアムの目玉展示物が展示されている
お2階へとまいりま~す!





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ピーターラビットの家ヒルトップ
2007/09/08(Sat)
実は、今日のタイトル、
「ピーターラビットの生まれた家ヒルトップ」と
したいところだったのでしたが、


ピーターラビットの作者ビアトリクス・ポターは、
「ピーターラビットのおはなし」シリーズで得た収入で、
ヒルトップ(HILL TOP)農場を購入し、
その後さらに、「ピーターラビットのおはなし」シリーズを
描きつぐことになったのでした。


というわけで、今日のお話のタイトルは、
「ピーターラビットおなはし」シリーズににまつわる家ということで、
「ピーターラビットの家ヒルトップ」にしました。


「ピーターラビットおなはし」シリーズの作者
ビアトリクス・ポターについては、こんなホームページがありました。
日本語でも、読むことができます。


さてさて、
15年ぶりに「ヒルトップ(HILL TOP)」への再訪をはたしたわたしたち夫婦。
このギフトショップの入り口をくぐったのでありました。



そして、反対側の出口へくぐりぬけると、



ヒルトップ農場にむかって細長い小道がのびています。



小道ぞいに植えられている植物の中に、
赤く透けるレッドカラント(Redcurrant赤すぐり)の実を見つけました。






その奥から姿をあわらしたヒルトップ農場。



その左手……。



入館時間を書きこんだチケットを持った人々が、
それぞれ自分の時間が来るのを待っています。


わたしたちも、まだしばらく時間があったので、
ヒルトップの正面にある菜園の入り口へ。







ロンドン育ちのビアトリクス・ポターでしたが、
このヒルトップに移り住んでからは、農業にも手をそめたのだそうです。


そろそろ時間なので、
ヒルトップの玄関先へもどることにしました。



ヒルトップの内部は、ビアトリクス・ポターの遺言によって、
ビアトリクス・ポターが生前のときのままの状態で
保存されているのだそうです。


家の中は、写真・ビデオ撮影は禁止だったのですが、
こちらのサイトに、ヒルトップ内部を描いた絵がのせられています。


実際の内部は、当時のほかのイギリスの家同様、
もっと狭くて、ずっと暗い陰気な雰囲気がただよっています。


屋内をあたたかく保つため、天井は低く、窓は小さく、
わたしたちが訪れたお天気のよい日にも、
家の中は、外のお天気がうそのような薄暗さでした。


こんな暗いところで、よく絵本が描けたものだというのが、
わたしの第一印象だったのでしたが、
2階のビアトリクス・ポターの仕事場に入ってみると、
仕事用のライティングデスクは、小さな窓べに寄せられていました。


そして、その窓べには、ビアトリクス・ポターの絵本が開いてあって、
こねこのトムが曲がりくねった坂道を歩いているページなのでしたが、
わたしが、あれっという顔をすると、


その場に居合わせたスタッフの方が、窓を背に絵本を立てて見せてくれました。
すると、絵本の風景と、窓のむこうに見える風景とは、
まるで双子のようにうりふたつなのでした。


このように、ヒルトップの内部には、
あちこちにビアトリクス・ポターの絵本のページが開かれておかれていて、
絵本の世界が、現実の世界にあらわれたような錯覚をおぼえさせるのです。


実際は、まったく反対で、
ビアトリクス・ポターがヒルトップの内外のあちこちを
絵本の中に描きこんだわけなんですけれどもね。


ユインの持っている絵本の中に出てくるドールハウスも、
実際のものが展示されいて、
まるで、そこを舞台に絵本の登場人物(動物)たちが、
今にも、お話の筋を実演してみせてくれそうな気がしました。


今回わたしが、このヒルトップを訪れてみようと思い立つきっかけとなった
映画「ミス・ポッター」の中にも、
かわいい絵本の登場人物(動物)たちがひょうきんな動作で紙面からぬけ出し、
動き出すシーンが出てくるのですが、


まさに、薄暗いヒルトップのあちこちにも、
ビアトリクス・ポターが絵本の中にみごとに描きこんだ
そんな魔法の数々がやどっているのでした。


絵本で世界を魅了したビアトリクス・ポターは、
絵本の出版によって得られた収入で、
ヒルトップはじめ、湖水地方の土地を購入し、
死後は、その財産を自然保護団体ナショナルトラストに寄贈しました。


生涯をとおして愛した湖水地方、
自身が描いた絵本の世界の美しさを、絵本の世界そのままに、
永遠にとどめておきたかったのでしょうね。



ヒルトップをあとにしたわたしたち、
せっかく、ウォーキングブーツも車に積みこんできていたことだし、
午後は、湖水地方の自然の中をウォーキングすることにしました。


そして、出かけたのは、
ビアトリクス・ポターが購入し、今は、ナショナルトラストが所有する
「ターン・ホーズ(Tarn Hows)」という湖とその湖岸。
映画「ミス・ポッター」のロケ地のひとつにもなった湖なのでした。



この湖岸をぐるりと歩いてみたわけなのでしたが、



ウォーキングというよりは、お散歩コース。
ウォーキングブーツはいりませんでした。




「歩くのなら、あの木立のむこうに見えている丘の方がいいよね」


「うん。また来るさ」


ってことは、今日は、もう行かないってこと?
でも、まあ、いっか。また来れば……。


「絶対に、また来ようよね」


「うん。絶対にまた来よう」


肩をならべて遠い丘の景色をながめながら、
誓い合うわたしとイアンなのでありました。


今回の旅は、わたしたちにとって、
これまであまり関心のなかった湖水地方再発見の旅になりました。
そして、これから、再発見した湖水地方の探求の旅が幕をあけそうな、
そんな予感がするのです……。





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ピーターラビットの里ニア・ソーリー
2007/09/07(Fri)
ウィンダミア湖の南端をぐるりとまわって、
ピーターラビットの作者ビアトリクス・ポターが住んでいた
農家ヒルトップのあるニア・ソーリーの村に到着したわたしたち、


着いたとたんに、気楽に遠回りなんかして
道に迷ったりしてるんじゃあなかったと
後悔の念にかられたのでありました。


開館時間の10:30amをわずかにまわっただけなのに、
ヒルトップの駐車場にあふれた車が、
駐車場の前に列をつくっているのです。


やれやれ……。
ふと、目をやると、
駐車場をかこむ石垣のあいだに、



身をひそめているかたつむり……。


君も、雨がくるのを、
じっと待っているのだね。


わたしたちも、じっと待つことしばし。
それでも、15分かそこらで、



「こちらへ、どうぞ~」



と、車を誘導してもらえました。
そして、つれて行かれたのは、
おとなりのこんなホテルの駐車場の最後の空きスペース。



わたしたちのうしろにならんでいた車は、
まだヒルトップの駐車場の外に列をつくっていたので、
これはかなりラッキーだったのかも……。


まずは、チケットオフィスへ。



「TICKET OFFICE」と英語で書かれている下に、
画像の文字ごらんいただけるでしょうか。
「ティケット・オフィス」と日本語で書かれています。
ほかの言語では、書かれていないのにね。


やっぱり、日本人観光客の数が多いのねと
前回の訪問の1件を思い出したわけなのでしたが、
実のところ、あたりを見まわしてみても、
日本人らしき方の姿もちらほらあるものの、
今回は、みんながみんな日本の方というわけではありませんでした。


日本人かな~と思っていると、
この春からイギリス観光が解禁になった中国の方々だったり。
ふいに、アメリカ訛りの英語なんかも聞こえてきたり……。
やっぱり、ヒルトップ、インターナショナルな観光地なのですね。




こちらがチケット・オフィスの入り口。
昔の納屋を使用したもので、内部も、そのままの姿を残した中に、
チケットカウンターがあって、チケットを購入すると、


そのチケットに、ペンで、
「11:20」と書きこんで手わたされました。


ヒルトップ、とっても小さな農場なので、
人数をかぎって入館できる仕組みになっているのです。
わたしたちの入館できる時間は、
11時20分というわけなのでした。


チケット・オフィスは、
ヒルトップからは少し離れたところにあるので、
ヒルトップまでの道をぶらぶら……。


石垣に植えこまれたお花が、
とってもきれいなおうちがありました。



こちらは、アジサイ。



イギリスには、日本のような梅雨はなく、アジサイは夏の花です。
ちなみに、アジサイのイギリス名は、ハイドランジェラ(hydrangea)。


シーボルトによって、ヨーロッパに紹介された日本原産のアジサイ、
イギリスで見かけるのは、日本の梅雨をいろどるみずみずしい姿とは
いささかおももちを異にするものの、やっぱり日本情緒を
ただよわせているのでした。


こちらのB&Bのお花もおみごと~。







んっ!
もしや、このベンチに腰かけているのは……。



やっぱり、そうよね~。


ピーター・ラビットがお母さんラビットから、
絶対に、入ってはいけないと言いわたされていたにもかかわらず、
入ってしまった畑の持ち主マグレガーさん。


何しろ、ピーターのお父さんは、このマグレガーさんにとっつかまって、
その奥さんに、ラビット・パイにされてしまったんですから、
お母さんラビットが、子供たちの身を案じるのも当然のこと。


ですが、絵本の中では、天敵同士のピーターとマグレガーさん、
このベンチの上では、仲良くいっしょに腰かけてます。


(あっ。ちょっとわかりにくいかもですが、
マグレガーさんがベンチにかけている手の下の方、
ブリキのカンから顔をのぞかえているのがピーター・ラビットです)


このB&Bをすぎると、
何やら見おぼえのある建物が……。



と思って、家に帰ってきてから、
ユインの持っているピーター・ラビットの絵本セットを開いてみたのですが、
ユインの持っている絵本の中には見あたりませんでした。


ですが、たしかに、この建物、
絵本シリーズのどれかには出てきた建物なのでした。


こうして、いよいよ、
ピーター・ラビットの絵本の世界に
足をふみ込んだ気分になっていると、


今度こそ、
ほんとうに見おぼえのある
「HILL TOP(ヒルトップ)」と看板のあがった建物が、



15年の歳月を飛びこえたかのように、
わたしたちの目の前に姿をあらわしたのでありました……。





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湖水地方ウィンダミア
2007/08/29(Wed)
ウィンダミア湖は、
湖水地方の南に位置する南北に細長い湖です。
湖をかこんで、湖水地方では名の知れた町や村が
点在しています。


(湖水地方の町や村、
観光地、ウォーキングについては、
こちらのページからご覧ください)


わたしたち夫婦の1泊したアンブルサイドは、
ウィンダミア湖の北端にあって、
アンブルサイドから細長い湖の東側を南下すると、
湖水地方の交通の要衝(ようしょう)の町ウィンダミア、
湖の遊覧船やフェリーの発着するボウネスがあります。


(ちなみに、ボウネスには、
ピーターラビットの絵本の世界を人形たちで再現した
子供むけのこんなアトラクションも)


西側には、
ピーターラビットの作者ビアトリクス・ポターが描いた
本の原画が展示されているギャラリーのあるホークスヘッド。
さらに、その南のニア・ソーリーには、
ビアトリクス・ポターが暮らした農家ヒルトップがあります。


う~ん。どれにしようか。
よりどりみどりで迷っちゃいますが、


わたしたち、まず、朝一で訪れようと決めていたのは、
15年前に湖水地方へきたときに見ることのできなかった
ヒルトップ……。


とは言え、ヒルトップの開館時間の10:30amには、
けっこう時間があったので、
ウィンダミアの街をぶらついてみることにしました。


やっぱり、地もとでとれる石積みの家々が多いです。
画像正面に見えいているのは、コープのスーパー。











こちら、銀行。



手前のお店は、フィッシュ&チップスのテイクアェイ。



そして、街のはずれまで軒を連ねるのは、B&B(民宿)……。



ほとんどのB&Bの玄関先や窓べには、
「NO VACANCIES(満室)」のふだが出ていました。
さっすが、湖水地方~。


こちらも、B&B。







街をくるくるっと歩いてみたあと、
街のはずれの駐車場にもどったわたしたち、
ビアトリクス・ポターが暮らしたヒルトップのある
ニア・ソーリーへむかうことにしました。


ちょっと遠回りになるのですが、
ウィンダミア湖の南をぐるりとまわって、
対岸側にあるニア・ソーリーへ。


その田舎道の風景は、
15年前にはじめて訪れたときと
ほとんど変わっていないのではと思われました。
当時でも、すでにとっても有名だったヒルトップへは、
日々たくさんの観光客が訪れるにちがいないのに、


観光バスが通れるのかしらん。
もし通れたとしても、
対向車とすれちがうのはいったいどうするのやら。


そんなとてつもない田舎のぐねぐね道が
行けども行けどもつづいていて、
いったいいつになったらたどりつけるのやらと思っていると、


ぽつんぽつんと田舎屋がある中の1軒の前で、
イアンが車をとめて、
「ついたぞ~」と言うので、


ふと、見ると、


ほんとうだ~っ!
ガイドブックにのっていたのと同じ建物が……。
そして、その建物の壁に、
「HILL TOP(ヒルトップ)」と書いてあるではありませんか。


そうか。とうとうやってきたのか~。
胸おどらせて、車をとめ、
ヒルトップと書かれた建物へ入ってみると、



あれれっ……。
そこは、小さなギフトショップなのでした。
ピーターラビット関連のお土産物が、
ところせましとならんでいます。


そして、そのギフトショップで発覚した
衝撃の事実……。


その日が、1992年の8月何日だったかは
きれいさっぱり忘れてしまったけれど、
今でも、忘れはしない。
その日の曜日は、木曜日だったのでありました。


いったい、そんなことってありえるのでしょうか。
週のまん中の木曜日が、よりにもよって、
休館日だったなんてっ……!


ギフトショップで聞いたところによると、
ヒルトップの家の内部には入れないけれども、
庭は、自由に見てまわることができるとのこと。


そうですよね。だって、だれだって、
まさか木曜日がお休みなんて思わないはずで、
木曜日が休館日だとは知らずに訪れる観光客は多いはず。


そして、その観光客たちは、ヒルトップを見るために
わざわざほかには何もないこんなド田舎まで
足を運んできた人々なんですからね。


だから、お庭ぐらいは見ていただきましょう。
そして、ギフトショップはオープンしておいて
お土産物だけは、どっさり買いこんで帰っていただきましょう。
と、まあ、そういうことだったのではないかと……。


というわたしたちは、ギフトショップは素通りして、
固く玄関を閉ざしているヒルトップの正面にある
こじんまりとしたお庭に
ぶらりと足をふみ入れたのでありました。


農家のお庭にしては、いささか小さめかと思われる
そのお庭には、わたしたちと同じ、
木曜日がまさか休館日だとは思いもよらずに
訪れた不運な観光客の方々の姿がちらほら……。


ですが、その方々に、
そこはかとない親近感をおぼえたのは、
どうやら同じ不運にみまわれたお仲間という
だけでなかったのでした。


さっさか先を歩いていくわたしにむかって、
庭の入り口から、


「チョットマッテ~!」


と、イアンがあげた
すっとんきょうな調子の日本語に、


思い思いに庭を見てまわっていた
不運な観光客のみなさんのほとんどが、
顔をあげ、声の方をふり向いたのでありました。


えっ! キョロ、キョロ。
いったい、だれが? という顔つきで、
顔をあげた観光客のみなさんは、
なんとみ~んな日本人……。


わたしのように
イギリス在住の方もあったかとは思うのですが、
日本から遠路はるばる来られていた方々が
ほとんどではなかったのかと……。


それから、早15年の歳月が流れ、
木曜日の借りは木曜日に返すと心に誓ったわけでも
ないのだけれど、


(でも、今は、夏のあいだは、
木曜日も開館していることだけは、
事前にしっかり確認してやって来たのですけれどもね)


何のめぐり合わせか。
奇(く)しくも、今回も、前回と同じ木曜日に
ヒルトップを訪れたわたしたち、


今回は、ぜったいに、閉館なんてことはないと、
ヒルトップの手前にある駐車場の手前にきたときに、
すでに確信したのでありました。


なぜって、
開館時間を数分すぎてはいたのだけれど、
その時点で、すでに駐車場は満ぱい……。


係りの人の指示にしたがって、
駐車場の外の順番待ちの車の列の後方に
ならんだわたしたちなのでありました。


やれやれ……。
どうやら、15年めのヒルトップ見物も、
そうすんなりとは、いかないようでありますね。





(湖水地方の目次のページは、こちら)









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