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帝国戦争博物館とベルリンの壁
2012/11/21(Wed)
あれっ、わたし、もしかして、
今、地雷踏んでしまいましたか?


みたいなこのような成りゆきで、
ニューキャッスル中央駅を
午前10時発の電車に飛び乗ると、


午後1時前には、
ロンドンはキングズクロス駅に
到着していたわたしたちなのでした。
ロンドンて意外に近い。


ですが、
はじめてイギリスへやってきたときに、
バッキンガム宮殿の衛兵交代や、
ウェストミンスター寺院の見物はしたし、


そう言えば、そのとき、
シャーロック・ホームズゆかりの場所や
パブでも食事もしたし、


トラファルガー広場、ピカデリーサーカス、
チャイナタウンにも行ったし、


はじめてイアンを日本に連れて行ったときには、
ヒースロー空港から発ったので、
大英博物館も見てまわった。


結婚ビザを取りにクロイドンの
内務省ホームオフィスに行ったときも、
ロンドンの街をぶらついたし、


そして、両親がイギリスにやってきた16年前は、
オープントップの観光バスにのって、
市街をぐるぐるぐるぐる1日半かけてめぐった。


だから、わたしのなかでは、
もうロンドンの物見遊山はいいかな
という気がしていたもので、


どこに行きたい? とか、何がしたい?
と聞かれても、とくに行きたいところもなく、
見物したいものもがあるわけでもなく……。


「じゃあ、まずは、
インペリアル・ウォー・ミュージアムへ行こう~!」



とイアンが言うので、

P1080167z.jpg

やってきました帝国戦争博物館(Imperial War Museum)。


その名前からどのような博物館であるかは、
容易にご想像がつくかと。


第一次世界大戦の近代の戦争から
世界各地で勃発している現代戦までの
遺物や資料を展示している博物館です。

P1080168z.jpg

大砲に、戦車、ミサイル、戦闘機、
武器をはじめとする兵士の装備など、
戦争の最前線から戦時中の庶民の暮らし、


はたまた、暗号解読やらスパイ活動なども。
戦時中に描かれた肖像画などもありました。

P1080169z.jpg

ホロコーストの展示もあったのですが、
イアンが見たくないとのことで、
それは、パス。


兵士上がりのイアン、
戦地に送られたことはありませんが、
新米兵士に武器やら野営訓練をしていたもので、


展示されているマシンガンなどをのぞきこみ、
その機種や性能などについてのウンチクをかたむけ、


「この使い方を教えていたんだ」


などと今は昔の話をしてみたり……。


ですが、
思ったほどの興味はひかなかったもよう。


これがはじめての来館かと思っていたら、
兵士時代にも訪れたことがあったらしく、
そのときの印象がよかったので、
今回、もう一度訪れてみたかったらしいのです。


わたしの知らないイアンの兵士時代が、
イアン自身にとっても、
すでに遠い過去になってしまっていた
ということだったのかもしれません。


「さ、じゃあ、そろそろ行くか」


と、あっさりと出口に向かうイアン。


3時半に、最寄りの駅で、
10年あまりぶりに再会するお友だちと
待ち合わせをしているのです。


が、博物館を出たところに建っている
サイケなオブジェのようなものの前でたち止まり、
足もとのプレートに目を落としていたかと思うと、

P1080172z.jpg

「ベルリンの壁だよ」 とイアン。

P1080171z.jpg

前回、イアンがこの博物館を訪れたときには、
まだこの場に建っていなかったベルリンの壁の一部。


そのとき、この怪物か、ドラゴンとおぼしき壁画と
「CHANG YOUR LIFE(人生を変えよ)」という文字は、
東ベルリンに暮らす人々にむけて建っていて、


もしかしたら、14歳のレジーンも、
このベルリンの壁の壁画と文字を見たかもしれない、
と思いました。


レジーンは、
わたしがはじめてイギリスにやって来た1990年の夏、
(それは、わたしがイアンと出会った夏でもあります)
同じ大学の英語研修のコースで出会ったドイツ人です。


年は20代の半ばか、もしかすると、
初めだったのかもしれませんが、
落ちついた物腰と雰囲気をもっていました。


西ドイツの病院で看護婦をしていて、
夏季休暇を利用して英語を学びにきたとのこと。


親密な友だちになるほど話をしたわけではありませんが、
緑色をおびたハシバミ色のどこか寂しげな眼の表情と、
手短に語った彼女の人生は今も忘れることができません。


レジーンは東ドイツに生まれ、
家族といっしょに東ドイツで暮らしていました。
ですが、14歳のとき、西ドイツにいる祖母を頼って、
ベルリンの壁を越え、西ドイツに亡命する決心を固めます。


その決心は、
東ドイツ側に見つかれば殺されるかもしれない
という身の危険をともなうだけではありません。


西ドイツに逃れることができても、
自由な将来を手に入れる代わりに、
東ドイツに暮らす両親や兄弟、友人たちと、


もう一生会うことはかなわない
という選択でもあったのです。


「CHANG YOUR LIFE(人生を変えよ)」


レジーンがこの壁画を見たかどうかはわかりません。
ですが、14歳のとき、彼女がこのベルリンの壁を
こえて西側にやってきたことはまちがいありません。


そして、この西と東を隔てていた壁は、
わたしとレジーンが出会った前年の冬に崩壊し、
わたしたちが出会った年の秋には、
東西ドイツの統一が実現しました。


それは、わたしがイギリスから
日本に帰国した翌月のことでした。


そのニュースをテレビで見たわたしは、
ああ、これで、レジーンやレジーンのおばあさんは
東ドイツに暮らしていた家族と自由に会うことができる
と思いました。


今、歴史が動いている。
その一場面に自分も立ち会っているのだ
と感じました。


「CHANG YOUR LIFE(人生を変えよ)」


それは意図してのことではなかったけれど、
はじめてやってきたイギリスをきっかけにして
わたしの人生もこんなに大きく変わったよ。


インペリアル・ウォー・ミュージアムを後にする
イアンの背なかにむかって、
そうつぶやいてみるわたしなのでありました。






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