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イギリスで手術をうけてみた 2
2007/09/11(Tue)
手術をするかしないかの決心がつかないまま
湖水地方に出かけて、
そりゃあ、きっと楽しい旅ではなかったでしょう。


と思われるかもしれませんが、
いやあ、それはそれで湖水地方とっても楽しんでしまった
わたしなのでありました。
(この夏の湖水地方の旅については、「旅のおもいで」からどうぞ)


それは、まず病気が致命的なものではなく、
手術も、マイナーな手術だったからなのだと思います。
ですが、やっぱり、いつも頭の片すみにはあって、
ふいっと思い出されたりはするのです。


サイトをへめぐって得た情報によると、
手術の手順というのは、静脈瘤(りゅう)になっている静脈が
脚の中心をとおっている太い静脈の本管とつながっている部分
(脚のつけ根か、ヒザのうしろ)をしばって切除、


その後、切除した部分から静脈に細いワイヤーを
静脈のもう一方のはしまでとおし、
そのワイヤーごと全長にわたる静脈を引っぱりぬく。
なんて、書いてあるのですよ~。


しかも、痛い手術なので、全身麻酔で完全に無痛にして行う。
なんてくだりを読んじゃいますとねえ~。
イギリスの国民保険制度NHSのサイトにも、「手術は痛い」。
「静脈瘤に痛みを感じないようなら手術は必要ない」
なんて書いてあったりもするし……。


そうか。
わたしの静脈瘤、そんなに痛いってわけでもないもんなあ。
手術するほど悪くないってわけよねえ。
でも、痛くなるのを待って、いつかは手術をするなら、
思いきって、この機会にやっちまった方がいいかなあ~。


まあ、心の中では、ぐだぐだとこんな思いをめぐらしながら、
湖水地方をめぐっていたわけなのですね。
そして、その湖水地方で泊まったB&B(民宿)の朝食のときのこと……。


前夜は、ジャージ姿だったランドレディー(landladyおかみさん)が、
その朝は、ひざ丈のスカートにストッキング姿。
そのストッキングからすけて見えるふくらはぎの一方に、


なんと、わたしと同じくらいか、
もっと広範にわたる
ヴァリコス・ヴェインズ(Varicose Veins静脈瘤)があ~っ!


ド、ドキッ、ドキッ……。
その朝は、イングリッシュ・ブレックファーストではなくて、
クロワッサンの軽い朝食を注文してあったのでしたが、
この軽くトーストしてあって、外はサクサク、中はやわらかいクロワッサンが、
なかなかのどをとおらないわけなんであります。


そして、そのお味もよくわからないクロワッサンを
口の中でかみしめながら、
わたしの頭の中を占めていたのは、
聞いてみようかな。聞かないでおこうかな。
でも、やっぱり、聞いてみようかな……。


そうこうしているあいだに、朝食は終わり、
わたしたち夫婦は、そそくさと自室へもどり、
荷物をまとめて、玄関へ……。


見送りに出てきてくれたランドレディー(landladyおかみさん)に、
聞くなら、この一瞬をのがしたらない~っ!
しかも、そのランドレディー、朝から、はな歌など歌ってる、
とっても陽気で愛想のよい、
気軽に話しかけやすいタイプの女性だったんですねえ~。


ええいっ!
旅の恥はかきすて~。


「あ、あ、あのう~。
ちょっと聞いてもいいですか?」



あら~、何かしら? 
大がらでいかにも頼れそうな感じのランドレディー、
何でもどうぞ、みたいな、
おおらかな笑みをうかべています。


「あ、あ、あのう……。
ヴァリコス・ヴェインズ(Varicose Veins静脈瘤)なんですけど、
しゅ、しゅ、手術は、か、か、考えられてないんですかっ?」



一瞬、ランドレディーの顔に、えっ!
という表情が……。


きっと、ランドレディーの方も、予想だにしないことを質問されて、
いったい何なんだと思ったにちがいなのですが、
その答えを耳にしたわたしも、自分の耳をうたがってしまうほど、
び~っくりぎょ~うてんっ!


さすがに、おおらかな笑みは消えた表情で、
ランドレディー、
しらっと言ってのけたのですよ。


「わたし、ヴァリコス・ヴェインズ(静脈瘤)なんかじゃ
ありませんわ……」



げげげ~っ!
まさかの答えを耳にして、
なんてこと聞いてしまったんだと気がついたわたし。


でもでも、まさか、こんな答えが返ってくるとは……。
となりで、イアンもうろたえてます。


「す、すいません。うちのワイフ、
近々、ヴァリコス・ヴェインズ(静脈瘤)の手術を
うけることになってまして」



って、まだ、うけるなんてって決めてないよ~っ!


「ぜんぜん、悪気はないんです。
こいつ、手術にびびっちゃってるもんで……」



と、イアンが言うと、
ランドレディー、
もとのとっても愛想のよい表情にもどって、


「だいじょうぶよ。心配しないでも、だいじょうぶ。
わたしも、近々、手術をうけることになってるんだけど、
心配してないわ」



それが、何の手術かはわからないですが、
ヴァリコス・ヴェインズ(静脈瘤)の手術ではないことだけは、
あきらか……。


「そ、そうなんですか。それはそれは……。
お体、くれぐれもおだいじに。ではでは」



こりゃまた、失礼いたしましたあ~。
と、深々と一礼し、
そそくさと、B&Bの玄関を辞したわたしたちなのでありました。


ところで、デンっ!
(握りこぶしを思いきり机に打ちつけた音)


ここで、断っておかねばならないのですが、
B&Bのランドレディーのふくらはぎ、
絶対に、静脈瘤になってましたっ!


車の中に乗りこんでから、
イアンにも、こんこんと訴えたんですけどね。


「まったく、信じられな~いっ!
あのヴァリコス・ヴェインズに自分で気がついてないなんて。
絶対に、絶対に、あれは、ヴァリコス・ヴェインズだからねっ!」



ほんとうに、今でも、信じられないのですが、
あのランドレディーが、自分の静脈瘤に気がついていないのは、
ほんとうのことのようであります。


そして、きっと、彼女の静脈瘤は、
いよいよ進行し、外見以外の症状があらわれるまで、
ひっそりとそこにありつづけるのでありましょう。


そうかあ。わたしくらいの静脈瘤なんて、
本人でさえ気づかないこともありうる程度なんだあ~。
じゃあ、やっぱり、手術なんてしなくていいよね。


とは、わたし、考えなかったのであります。
実は、このランドレディーに、
あとから考えるととんでもない質問をしてしまった一件のあとに、
やっぱり、わたしは手術をうけようと決心したのでありました。





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