スポンサーサイト
--/--/--(--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事のURL | スポンサー広告 | ▲ top
イギリスで手術をうけてみた 3
2007/09/12(Wed)
頭の中では、ずっとわかっていたことなのでした。
手術をうけるべきなのだということは……。


けれども、
生まれてはじめての手術だということ以外にも、
生まれてはじめての全身麻酔にも、
大きな不安をかかえていたわたしなのでした。


何年も前に見た「トリビアの泉」で、たまたま知った事実。
現代の医学をもってしても、どうして全身麻酔が効くのか、
そのメカニズムは解明されていない。


だとしても、100年にもわたって世界中で、
おそらく何億という人々が全身麻酔をうけてきたんでしょうから、
そのメカニズムが解明されていないってことにかんしては、
わたしは、とくべつ、不安には感じませんでした。


それに、全身麻酔のあいだは、自分で呼吸はしないので、
のどから気管までチューブをさしこみ、人工呼吸器を使って
呼吸をさせるのだということも知っていたので、
その事実は、納得ずみだったのでした。


ですが、わたしが不安だったのは、
そういう技術的なことではなくて、
もっと直感的で、単純なことなのでした。


もしも、全身麻酔から目がさめなかったらどうしよう。


ねっ。そうは思われませんか?
でも、これは、かなり見当ちがいな不安であったと、
あとでわかったのでした。


どうやら特定の病気や具合の悪いところがないかぎりは、
全身麻酔から目がさめないことはなさそうです。
ただ、さめちゃいけない手術中に目がさめてしまうことの方なら
ありうるらしいのですけれどね。
って、それも、かなり怖いですよね~。


さらに、もうひとつ、わたしが不安だったのは、
去年の春に、手術をうけた父が、全身麻酔のあと、
2日2晩苦しんだということだったので、
体質遺伝で同じようになってしまったらということでした。


これもあとでわかったことなのですが、
たばこを吸っていたり、肺が悪かったりすると、
(わたしの父の場合は、その両方でした)
全身麻酔後は、多量の痰が(たん)が出て、
のどが痛んで苦しいのだそうです。


そして、わたしのさらなる究極の不安は、
全身麻酔が効いているあいだは、
どんなに切りきざまれていようと、
意識はないのだから痛みもわからないけれど、
全身麻酔からさめたとたんに、


どっと、痛みがおそってくるのじゃあ~。


ということなのでした。
きっと、生まれてはじめての手術にのぞむとなれば、
たいがいの方がそのような恐れをだかれるのではないでしょうか。


しかも、手術をしなければ命があぶない病気なら、
全身麻酔からさめたときに痛いのが怖いから手術しないなんて
言ってはいられないでしょうが、


わたしの静脈瘤なんて、
一生放っておいたってどうってことない
いたってのん気な病気である上に、


手術するかしないかは、
わたしの判断にまかされているわけで、
診てもらった専門医の先生も、


「まあ、手術という方法もありますが~。
わたしにも、あたなと同じくらいかもっと進んだ静脈瘤があるんですが、
放ってありますよ。はははっ」



なんてことも聞いてたりしたものだから、


「ぜったい、手術は痛いんだよ。
だから、あの専門医の先生も、自分の静脈瘤の手術しないんだよ~」



と言うと、イアン、


「それはちがうだろ。
自分じゃ、自分の手術ができないからだよ」



「なことないよ。だって、NHSのホームページにも、
はっきりと、手術は痛いって書いてあったんだも~ん!」



(NHSとは、「ナショナル・ヘルス・サービス」、
イギリスの国民健康保険制度です)


「だって、カチェリーナは、手術の2日後に、
仕事に復帰したってことだよ。
そんなに痛かったら、できるはずないだろっ!」



実は、
イアンの叔父は死ぬまで静脈瘤の手術をしなかったのでしたが、
その叔父の3人娘のうち、美容師をしている長女カテチェーナと次女パールは、
30代で、両脚とも足のつけ根から足首までの手術をうけたのでした。


パールは、手術後1週間お休みしたとのことでしたが、
カチェリーナは、手術後たったの2日で仕事に復帰したのだそうです。


ちなみに、静脈瘤になりやすいのは、
遺伝的に静脈瘤になりやすい体質を親から受けついでいる人、
看護師、教師、客室乗務員、美容師などの立ち仕事に従事している人
ってことになってます。


ただ、わたしのような例外も存在するんですけど……。
わたしの母は、一生立ち仕事をしてすごしましたが、
静脈瘤にはなったことがありません。
父は、長年リューマチはわずらっていましたが、
静脈瘤だったと聞いたことは1度もありません。


しかも、わたし、立ち仕事などしたことがないだけでなく、
じっと立っているのが苦手で、すぐにすわってしまうタイプです。
それでも、静脈瘤になっちゃったんですからねえ。
こりゃ、いったいどこに文句を言っていったらいいのやら。


ってわけで、
方向ちがいの文句やら、不安やら何やかやを、
ひたすら、イアンにぶつけてたってわけなのですね。


そうして、手術をうけるかうかないかの決断ができないまま、
夫婦ふたりで湖水地方の旅にでかけ、
一夜の宿をとったB&B(民宿)で、
昨日ご紹介した一件にそう遇したというわけなのでありました。


それまでは、まだ初期の今のうちにやっちゃった方が
いいにきまっていると、頭ではわかっていても、
なかなかその気になれないでいた手術なのでしたが、


B&Bのランドレディーにとんまなことを聞いてしまったあと、
はたと気がついたわたし……。


これじゃ、どこにいっても人の脚ばかりが気になって、
静脈瘤がうき出している脚を見つけた日には、
「あのう。失礼ですけど、手術はしないんですか」
と聞いてみたくなってしまうにちがいない。


うぇ~ん。
そんなのって、最低だ~っ!



そして、手術をしてしまわないかぎり、
きっと、永遠に、こんな精神状態からぬけ出せないままなんだ。
そこまで自覚したとき、ふっと何かが割りきれたのでした。


湖水地方をあとにして、
自宅へむかう車の中で、


「イアンちゃん。帰ったら、病院に電話してくれない?
手術、やっぱりうけることにするよ」



「そっか。してやるよ、電話……」


そう言ったイアン。
休み明けの仕事帰りに、
こんなの、かかえて帰ってきたんですけど……。



う~ん。でも、イアンちゃん。
何がなんでも、これは、まだちょっと気が早すぎやしませんか?






スポンサーサイト
この記事のURL | イギリスで手術をうけてみた | ▲ top
| メイン |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。