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蒸気機関車の父スティ-ブンソンの生まれたコテージ
2007/11/07(Wed)
とある春の休日、
蒸気機関車の父ジョージ・スティ-ブンソン(George Stephenson)の
生家のあたりに散歩に出かけたので、
すでに、ご紹介したことがあるのですが、
(そのときのもようは、こちらこちらのページ)


今回、一家でナショナルトラストの会員になったので、
久しぶりに、スティーブンソンの生家のコテージを
訪れてみることにしたのでした。


蒸気機関車の改良で世界的にその名を知られ、
日本の歴史の教科書でもおなじみのジョージ・スティ-ブンソンは、
わたしたち一家が暮らす北イングランドのニューキャッスルから
車で20分ばかり西にあるワイラム(Wylam)という小さな村の出身です。


春の散歩道とは反対側、ワイラムの村の駐車場に車をとめ、
村はずれにある生家のコテージまで、
半マイルの道のりを歩きはじめたわたしたち……。

PA260044a.jpg

足もとには、かさこそとかわいた音をたてる枯葉の散りしき、
春の緑の草原と黄色い菜の花畑とは、
また異なった色あいの風景がわたしたちを迎えてくれたのでした。

PA260047a.jpg

この「ジョージ・スティーブンソン生誕の地(George Stephenson's Birthplace)」
と書かれた左手に、コテージが建っており、

PA260048a.jpg

その正面中央にはりつけてある

PA260066a.jpg

ジョージ・スティーブンソンの生家であることを示すプレートには、

PA260065a.jpg

スティーブンソンが世界にその名を知られることになった
ロケット号が描かれていました。
(ロンドン科学博物館所蔵のロケット号の実物は、こちら)


そして、正面の玄関ドアには、
「見学ご希望の方は、裏手へお回りください」
と書かれたカードがぶらさがっていたので、


(いやあ、田舎ののどかな景色と同じくらい
のんきな管理人さんですね~)

PA260052a.jpg

裏手へまわって、



掘ったて小屋のようなカフェをのぞくと、
(スティーブンソンの生家には人影がないのに、
なぜか裏手の小さなカフェの中は、おおにぎわい)



玄関のドアの鍵を持って出てきてくれたのは、
春に散歩にきたときに、イアンにはないしょで、
「くっついてるね」とユインにささやいた、
たまたま画像にうつっていたこの管理人さんだったのでした。



あいそうよく玄関の鍵をあけ、

PA260055a.jpg

中に、案内してもらうと、
キョロキョロ……。


あれれっ。ナショナルトラスト管理のアトラクションを訪れると、
入り口のあたりで見かけるカメラ・ビデオの撮影禁止の表示が
どこにも、見あたりませんよ。


も、も、もしかして、
スティーブンソンの生家の内部は、
写真撮ってもいいのぉ~。


はやる気持ちをおさえつつ、
でも、念のため、ひと言聞いたみたほうがいいかなと思い、
聞いてみたところが……。


「オー。ノー・フォトグラフ!」


外は、いくら撮ってもらってもかまわないんですけどね。
と、言われてしまったので、ジャケットのポケットの中で、
今しもとり出そうと待機させていたデジカメ、
出番なく終わってしまってしまいました。
がっかり~。


というわけで、申し訳ありません。
春の散歩のときと同様、コテージ内部の画像は、
ナショナルトラストのサイトにある1枚
こちら
をごらんくださいませ……。


前回も書きましたが、実際のコテージの内部は、
ナショナルトラストのサイトの画像より
ずっとせまく、もっとうす暗くて陰気な感じがします。


昨日ご紹介した近在の木版画家トーマス・ビューイックの生家
さらに、つつましくした感じです。
まったく同じ木製のゆりかごと羊毛を紡ぐ糸車がありました。


また、トーマス・ビューイックの生家には、
ダイニング・キッチンや寝室など個別の部屋がありましたが、
ジョージ・スティーブンソンのコテージは、
ひとつの建物を十文字に仕切った4部屋の中に、
4家族が暮らす集合住宅だったので、


先に画像をご紹介したジョージ・スティーブンソンの
コテージ全体のかまえは大きいものの、
スティ-ブンソン一家が暮らしていたのは、
向かって左側の1階部分にあるひと部屋……。


せいぜい4メートル四方の中に、
暖炉、台所とダイニング兼用のテーブルとイス、たる型の洗たく機、
夫婦用のベッドと、その下に、引き出し式になった子供用ベッド。
それから、赤ん坊用の木製揺りかごなどがところせましとおかれ、


このひと部屋に、スティーブンソンの両親と子供たち5人、
一家7人の大所帯が暮らしていたのでした。
スティーブンソンの父親は炭鉱労働者であり、
同じコテージに暮らすほかの3家族の父親たちも、
炭鉱で働いている人々でした。


管理人さんの説明によると、このコテージには、
4家族、総勢26人が暮らしていたそうなのですが、
トイレは、コテージの裏手にたったのひとつ切り。
しかも、たて穴を掘っただけのシンプルなものだったのだとか。


さらに、部屋の中の照明は、暖炉で石炭が燃えるあかりと、
動物油脂からつくったろうそくだったもので、
窓の小さいコテージの中は暗くて、つねにひどいにおいが
ただよっていたのだそうです。


そして、ナショナルトラストのサイトの画像の
1番手前に見えているたる型の洗たく機が、
スティーブン家の子供たちのお風呂にもなったのだとか。
ちなみに、水道はないので、コテージの前を流れる小川まで、
くみにいかねばらならかったのだそうです。


(でも、洗たく機が子供のおふろなら、
おとなのお風呂は、いったいどうしてたのかなあ~)


このあと、さらに、ジョージ・スティーブンソンは、
18歳まで読み書きもできなかったのだと聞いて
びっくりしてしまいました。


貧しさから裸一貫で身をおこした人生、
日本で言うなら、豊田佐吉か、
はたまた、松下幸之助って感じだったのですね~。


やがて、蒸気機関の技術で頭角をあらわし、
ロケット号の開発によって成功をおさめたジョージ・スティーブンソン、
息子のロバートとともに、世界初の蒸気機関車の製造会社、
「ロバート・スティーブンソン・アンド・カンパニー
(Robert Stephenson and Company)」を設立。


そのビジネスセンスもいかんなく発揮して、
蒸気機関車製造にたずさわったほかの先駆者たちの
追随(ついずい)をゆるすことなく、
イギリス国内の鉄道網獲得に優位にたつと、
世界市場にも乗り出していったのでした。


わたしの実家の町にある蒸気機関車の屋外博物館に、
日本で2番めに古い蒸気機関車というのが展示されているのですが、
たまたま一家で日本へ里帰りしたときに訪れ、


その日本で2番めに古い蒸気機関車の車体に、


「ロバート・スティーブンソン・アンド・カンパニー
(Robert Stephenson & Co.)
ニューキャッスル・オン・タイン
(Newcastle on Tyne)」製造



という文字を見つけたときには、
ほんとうにびっくりしてしまいました。


イギリス生まれのこの古い蒸気機関車が日本へやってきて
たどりついた終着駅の町に生まれたわたしが、
今は、イギリスの、この蒸気機関車が生まれた場所で
暮らしているなんて……。


この世界、たったひとつの人生のうちに、
訪ねきれないほど大きくて広いにもかかわらず、


そのとてつもなく広大な世界には、また、
目には見えない縁(えにし)という糸がはりめぐらされ、
ときとして、思いもかけないあやをなし、
結びめをつくってみたりもする……。


ふと、そんなふうに思え、
感じいってしまったのでありました。


さてさて、
一家7人のひと部屋暮らしにはじまった人生でしたが、
世界を相手にビジネスを展開していったスティーブンソン、
後年には、何十室と部屋数のある広大なお屋敷の当主に
おさまったのだそうです。


生涯のうちに、結婚は3回。
ナショナルトラストの管理人さんの説明によると
最初のふたりの妻とは、死別。


そして、3人めは、スティーブンソンのお屋敷に奉公していた
年若いハウスメイド(女中さん、お手伝いさん)だったとのこと。
ですが、その再々婚の9か月ののちに、
(管理人さんによると、9か月なんですが、6か月という記述もあります)
ジョージ・スティーブンソンは、死亡。


「だから、3人めの妻は、ハウスメイドあがりで、
お屋敷の女主人におさまったってわけ、
たいしたものよね」



おそらく、ナショナルトラストのはからいで、
スティーブンソンのコテージの空部屋に暮らしている
管理人さんは、そう言うのでしたが、


それより、やっぱり、社会の底辺に生まれて、
18歳まで文盲だったスティーブンソンが、
保守的なイギリスの階級社会をのしあがり、
1代で築きあげた富と名声にはくらべるべくもないよなあ~。
と、思ったわたしなのでありました。


このあと、ユインは、コテージの裏手のカフェで
春と同じアイスローリーを買ってもらってごきげん。
ちょっとは歴史の勉強もできたことだし、
よかったねと言い合いながら、

PA260049a.jpg

また、木だちにかこまれた半マイルの道のりを
ワイラムの村の駐車場へと引きあげた
わたしたち一家なのでありました。





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