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北の島のエメラルド色の海べで
2007/12/19(Wed)
鉄器時代の復元住居の穴ぐらから外へはい出すと、
なんと、すっかり雨はすっかりあがっていて、
雲間から薄日さえさしているのでした。

P8100040a.jpg

2000年ほど昔、この復元住居が現役だったころには、
海岸線は、とてもこの場所からは見えないくらい
はるか遠くだったのだそうですが、


長年の歳月をかけて、海が島を侵食し、
今は、住居遺跡から目と鼻の先に海がのぞめます。
そこで、白い砂がわたしたちをいざなっているビーチへ
足をのばしてみることにしました。


雨はあがってあたりはいくぶん明るくはなったものの、
海風が強くて、身をちぢめねばならないほどの寒さ、
海辺の草の陰のあちこちでは、

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かたつむりが身をよせ合って、
何かささやきあっている風情……。


「寒いねと話しかければ寒いねと答える人のいるあたたかさ」


ふと、頭にうかんだのは、俵万智。


P8100057a.jpg

だんだん、空に青空も広がってきて、
お天気はよくなってきたのだけれど、
海辺は、寒いと言えば、ほんとうに寒いので、


海の景色をながめながらのピクニックは断念し、
わたしたち一家、駐車場にひきあげて、
ルイスとハリス島で食べる最後のおにぎりを、
車の中で、おなかにおさめたのでありました。


そのあとは、この場所からそう遠くない
ルイス島のユイッグ(Uig)に広いビーチがあるらしいので、
まだ訪れたことのないルイス島の南部の海辺へと
むかうことにしました。

P8100074a.jpg

車を走らせること、30分弱、
そろそろ、ユイッグ(Uig)のビーチが見えてくるはず……。

P8100103a.jpg

と、突然、緑の野原がとぎれて、砂地になってました。


そして、その先には、
当然、海があるはずなのですが、

P8100073a.jpg

え~っ。
どうしてないの~っ?



と、思って、
ずーっと左の方へ目を転じていくと、その果てに、

P8100075a.jpg

あっ、あった~っ!


こ~んなにだだっ広いのに、
人影のほとんどないビーチを
てくてくと波打ちぎわまで歩いていくと、

P8100072a.jpg

それはそれは遠浅のおだやかな海が、
目もくらむような透明な波をわたしたちの足もとへと
とめどなく送ってくるのです。

P8100096a.jpg

岩場に目のないユイン、
さっそく、めぼしをつけた岩にはりついたかと思うと、

P8100099a.jpg

あちこちの岩をわたり歩いて遊びはじめました。

P8100085a.jpg

ところで、この海辺は、
「バイキング・チェス(Viking Chess)」セットが
発見された場所として知られています。


それは、1831年の春の嵐のあとのこと、
岩でかこわれた石室が発見され、

P8100093a.jpg

その中から、セイウチの歯モースアイボリー(Morse Ivory)から
彫りだされた93の個のチェスピースが見つかったのです。


このバイキングチェスは、12世紀に、
スカンジナビア半島でつくられたものであり、
その時代に、この島に居住していたバイキングによって
もたらされたものだと考えられています。


そして、現在、バイキングチェスは、ロンドンの大英博物館と
エジンバラのスコットランド国立博物館に所蔵となっています。


さてさて、ユインがあくことなく岩場探検をしているあいだ、
イアンとわたしは、波うちぎわに腰を落ちつけて、
いつしかすっかり晴れわたった青空のもとで、
のんびりと日光浴……。


強かった海風もうそのように静まって、
ここが北の島の海辺だとは思えないほど、
ぽかぽかとあたたかくなってきました。


それにしても、この海の色、
はるか遠い水平線は紺碧(こんぺき)の青、
その手前は、エメラルドグリーン、
そして、足もとは、底の砂がすけて見える透明……。

P8100089a.jpg

イギリスの海と言えば、灰色というイメージで、
それでも、お天気の日には青く見えることもあるけれど、
すきとおる緑色のこんなにきれいな海を
これまで目にしたことがありません。


ルイス島の最北端ポートネスでも、
不思議に思ってながめたこの緑色の海の色、
どうして、この島の海の水が緑色をしているのか、
その理由はわかりません。


ですが、この島の海がこんなにすんできれいなのは、
住んでいる人、訪れる人が少ないからだとイアンが言ったとき、
「台所は海の玄関」という言葉が思いうかびました。


頭の中の知識としては、そんなこと遠っくの昔から
知っていたはずなのですが、
このルイスとハリス島の海の美しさを目にしたとき、


ああ、やっぱり、地球を汚しているのは、
わたしたち人間なんだとはじめて実感しました。
そして、この海の色を心にきざみつけたのでした。


わたしがそんなことを考えているかたわらで、
同じようにほれぼれと海の景色に目をむけながら、
イアンは、また別のことを考えていたらしく、
ふいに、口を開くと、


「今度、ルイスとハリスへ来るときは、
コテージは、この近くにとることにしよう」



えっ。
わたしたち、また、この島へ来るのっ?
とは、思ったものの、


たしかに、
こんなにきれいで、のどかで、
人気(ひとけ)のない静かな海辺で、
のんびりとすごす時間ってこたえられない。


だから、


「うん。もし、また、この島に来たら、
コテージは、この近くがいいね」



と、とりあえず同意してみると、
なんだか、またいつか、この場所へやってきて、
わたしたち、この同じ海をながめるんだろうな~。
そんな気にもなってくるのでした。


ホリデー最終日の午後を、
お日さまのかがやく海辺でゆったりとすごしたわたしたち、
そろそろコテージにひきあげることにしました。


その途上、ついうつらうつらと、
助手席で舟をこいでしまったわたしなのでしたが、
やっぱり、ひと筋縄ではいかないスコットランドのお天気、


うつらっとして目を開けると、
ついさっきまで青く晴れあがっていた空が、
いつのまにかかきくもり、どしゃぶりの大雨に……。


そして、また、うつらっとして目を開けると、
こんどは、低くたれこめていた暗い雲間をさいて、
さんさんとお日さまがさしてきたり……。


「いったいこりゃあ、なんなんだ~」


車のハンドルをにぎりるイアンも、
あきれ果てているようす。


これは、もしかすると、
この島の大空が、わたしたちに別れを告げる
お天気の祭典をおっぱじめたのかも……。


そのうち、ここは雨雲のたれこめる大雨なのに、
ついその先の空には青空が広がっていて、
お日さまがかっと照りつけていているという
狂乱のさまがはじまって、

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雄大な自然の背景に、
二重の虹の橋がかけられたのでした。


ですが、そのあと、
コテージの丘のふもとにたどりついたときには、
空は、また、からりと晴れあがっていました。

P8100107a.jpg

とはいえ、丘のふもとからコテージへの小道は、
どろどろにぬかるんでいて、この丘もちょっと前までは、
そうとうの大雨に見まわれていたことがうかがい知れました。


ってことは、やっぱり、お天気は、
わたしたちに味方してくれたってことなのかな~。


ふり返ってみると、
1週間のルイスとハリス島滞在のあいだ、
1日たりとも、雨のふらなかった日はなかったのでしたが、


にもかかわらず、
1日たりとも、わたしたち一家が外出できなかった日も
なかったのでありました。


コテージへむかうのはこれが最後になる丘の小道を、
足もとは悪くても、ひょいひょいと慣れた足どりで進んでいく
わたしではありましたが、


「お~いっ。みやっこぉ~」


と、うしろからイアンの声が……。
ふりむくと、イアンが、
わたしが進んでいるのとは別の方向に手をさしあげて、
コテージへの正しい道すじをさし示してくれているのでした。


てへへっ。
1週間毎日通い慣れた丘の道ではあったのですが、
岩ごろごろで、たいがいぬかるんでいるもんで、
いつも下ばかり見て歩いているものだから、


わたしとしたことが、最後の最後まで、
正しい道すじをおぼえることが
できなかったようなのでありますね~。





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