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いつも、1年で最悪の日
2008/01/03(Thu)
2008.1.2 Wed. 小雨のちくもり

久しぶりに目覚まし時計のアラームで目をさまし、
ネクタイしめたイアンが階下におりてきた。
そして、ふつうの顔をして、いつものように朝食をとり、
カバンにサンドイッチを詰めこんでキッチンの勝手口へむかう。


「その靴、ゆうべ、ユインがみがいたんだよ」


靴ひもを結んでいるイアンに言ったら、


「そうか」


と言うなり、靴みがきの道具一式が入っている容器から、
ブラシをとりだして、はいた靴にブラシをかけはじめた。
あ、ちゃ~っ。


そして、何も言わず、そのまま仕事に出かけたのだけれど、
その今年初出勤していくイアンの車が
通りの先の角をまがって姿を消すまで見送りながら、


ちょっと考えこんでしまった。
もし、わたしが、「ユインがみがいたんだよ」と言わなかったら、
イアンは、靴にブラシをかけ直すなんてことはせずに、
そのまま仕事に出かけたんじゃあなかろうか。


もしかして、わたしがみがいたあとの靴にも、
ブラシをかけ直したいときがあるのじゃないかなあ。
きっと、イアンに問いただしても、「そんなことはないよ」
としか言わないような気がするのだけれど……。




イアンが出かけてから、バスルームへ行くと、
(バスルームには、トイレが同居しています)
トイレのわきのラジエーターの上に、
バースデーカードがおいてあった。


なるほど。いつもは、前夜、わたしが寝静まったあと、
リビングのマントルピースの上においておくのだけれど、
ゆうべは、わたしがブログのアップをしていたものだから、
今年は、バスルームに残していったというわけなのか。


それにしても、トイレのわきにおいておくかなあ~。
まあ、いいけど。


でき合いのジョークバースデーカードに、
自分の画像をプリントアウトして貼りつけてある。
その上に、自作のジョークも書きくわえられている。


まあ、例年の気どったカードにくらべると手がこんでいる。
思わず、笑えてしまった。


ユインは、まだ寝てるんだろうなあと思うと、
どうしたわけか、もう起きていた。
あ~っ。わかったぞ~。


「父さん。今日は、ついさっき仕事に出かけていったよ。
だからだよね」



「うん。まあね」


と、にんまりするユイン。
今日は、夕方まで自分の特等席となる
パソコンの前に陣取ったのだった。


でも、ゲームをする前に、


「ちょっと、することがあるんだ」


と言う。


「ふ~ん」


「忘れてたんじゃあないんだよ」


と、言い訳のように言う。
さては、またか~。


「へへっ」


わたしのいる目の前で、パソコンにむかって、
わたしへのバースデーカードを作りはじめたのだった。
もう14年のつき合いになるので、
ユインの行動パターンは読めている。


そうして、バースデーカードができあがると、
そのまま、


「はい、どうぞ」


と、わたしてくれるので、


「封とうには入れてくれないの?」


「じゃあ、封とうも作ろうか」


「まあ、いいよ。面倒だから」


「あ、そう?」


と、あっさり言うと、パソコンに向きなおり、
そのまま、朝ごはんも食べずに、
パソコンゲームに熱中するのだった。


マントルピースの上に立てていた
イアンからのバースデーカードのとなりに、
ユインのバースデーカードもならべて立てた。


そのほかは、イアンは仕事で、
ユインの学校は休みの特別なことは何もない
ありふれた1日がすぎ、
夕方、いつもの時間にイアンが帰ってきた。


そして、いつもと同じありふれた夕食をとり、
いつものようにテレビのニュースをかけて、
カウチの上でならんで横になり、
イアンの肩に頭をのせると、


「誕生日には、何がほしい?」


と、イアンが聞いた。


「う~ん。これでじゅうぶん」


と言うと、
それ以上、イアンは何も言わなかった。
そして、いつしか、いつものように
イアンの肩でまどろんでいた。


何だか、悪くない1日だったと思えるのは、
特別なことを期待しなかったせいかなあ。


こうして、今年も、
イアンにとっては、いつも1年で最悪の日になる
わたしの誕生日が終わったのだった。





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