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ユインに求める日本語力
2008/01/16(Wed)
日本の小学校では、1006字、
中学校では、939字の漢字を習います。


合わせて1945字の常用漢字を知っていると、
日本の新聞、雑誌、一般的な本は読みこなせる
ということになっています。


ルビがふられていても、その漢字の意味を知らなければ、
結局、何にもならないような気がするのですが、
常用漢字以外の漢字にはルビがふられるらしいので、


常用漢字が読めれば、とりあえずは、
日本の一般的な出版物は読めるというわけなのです。


イギリス生まれで、英語のネイティブスピーカー、
日本語は、第2言語にあたるユインに、
日本人の母親のわたしが求める日本語力というのは、


日本語の会話で人とコミュニケーションがとれ、
完璧に書けるところまではいかなくても、
常用漢字を読むことができるようになって、
日本語の本や新聞を読みこなせる程度の日本語力。


その目標にむかって、
ユインが幼いころから、母子で、コツコツ、
けれども、けっしてあせらず、ぼつぼつと、
毎日、日本語の勉強をつづけています。


少なくとも1度は読んだことがあるというのと、
読める能力を身につけているというのは、
まったく次元がちがうわけなのですが、


小学1年生から中学3年生までの国語の教科書を通して読むと、
常用漢字1945字全部をもらさず読むことになります。


というわけで、常用漢字を網羅(もうら)するために、
お話や小説などとはちがって、かなり退屈な単元もあったり、
難解な単元もあったりはするのですが、


ユインには、小学校1年の年から、今にいたるまで、
日本の国語の教科書を声に出して読ませています。
読めなかった漢字には、印をつけておいて、
読めるようになるまで読ませるようにしています。


それでも、時間がたつと、
以前読めた漢字が読めなくなっていたり、
意味を忘れてしまったりもするのですが……。


ユインは、今年、日本の学校だと中学2年生なので、
今は、中学2年生の国語の教科書を読んでいます。


その教科書の中に、
わたしが中学2年生だったときの教科書にものっていた
「走れメロス」がのっていて、

P1010070a.jpg

うわぁ~。なつかしい~。
という思いにとらわれたわたしなのでした。


ですが、一方で、ユインの日本語力では、
出てくる言葉や表現、漢字も、むずかしすぎる上に、
教科書の単元としては、とてつもなく長い……。


これは、ちょっと無理でも仕方がないなと思って、
まあ、とりあえず、挑戦させてみるかと読ませてみたところ、
読めない漢字が読めるようになるには何日もかかったけれど、


そこそこ、むずかしい表現の意味も、内容も理解しながら、
最後まで読みとおすことができたのでした。


ユイン、やるじゃあないか~。
やっぱり、少しずつでもコツコツとつづけさせてきた甲斐があったと、
これまでの長い道のりをふりかえって、
ちょっとしみじみとした気持ちにもなったりなんか……。


ですから、「走れメロス」にくらべれば、
村上春樹なんて、なんてことない。
単元のタイトルも、「ふわふわ」。軽~い感じ。

P1010071a.jpg

(だとしても、村上春樹の文体が、「走れメロス」にくらべて、
やわらかくてとっつきやすい感じってことであって、
村上春樹の小説の内容が太宰治より軽いってことは、
けっしてないと、わたし個人は思っているわけです)


思ったとおり、ユインは、「ふわふわ」を、
ほとんど漢字につまずくこともなく、
すらすらと読むことができたのでした。


そして、本文のあとに、
紹介されている作者の画像と略歴が目にとまったもので、

P1010073a.jpg

ユインには、当然読めてしかるべき、
その作者名を読ませてみることに、


「さて、この父さんが好きな作家の名まえ」


イアンは、もちろん、英語の翻訳で
読むんですけれどね。


「何て、読むの?」


すると、ユイン、


「ウラウエ」


う~む。そう来るか。
そして、そのあとは、


「ハル」


うんうん。そうだよね。それで?


んっ。ユイン。
ちょっとつまって思案してます……。


え~っ。なんで~っ。
わかんないはずはないだろ、この漢字!


そしたら、ユイン。
ようやく「樹」の読み方を思い出したらしく、


「ジュ」


「たしかに、『樹木』の『ジュ』なんだけどさあ。
もうひとつ別の読み方があるじゃん」



「そうお……?」


「だってさあ。いくらなんでも、
『ハルジュ』なんて、変な名まえだと思わない?」



「別に……」


そ、そ、そうか。
ユインは日本人の名まえ、
あんまり知らないもんね。


でも、母さんとしては、
ユインがよ~く知っている日本の名まえを
思い出してほしいんだよね。


だからさあ、


「『ジュ』のもうひとつの読み方、思い出さない?」


「さあ~?」


ユインは、ますます首をひねるばかり、


「仕方がないなあ。
まずは、『ムラウエ』じゃあなくて、『ムラカミ』だよ」



「あっ。そうなの。ごめんね」


「それは、仕方ないよ。
ユインはあんまり日本の名まえ知らないんだから。
日本の名まえでは、『ウエ』は、『カミ』って読むことが多いんだよ」



「ふ~ん」


「でもさ。いくらなんでも、『ジュ』はないだろ。
ユインの知ってる日本の名まえの中に、
『ジュ』って書いて、別の読みをする名まえがあるだろ~っ!」



「う~ん。わっかんないなあ~」


「わかんないって~っ!
じゃあ、ユインの日本の名まえなんていうのよ~!」



「ユウキ」


それがどうかしたの?ってな顔しないでよ~。




「『ユウキ』の『キ』って、『樹(ジュ)』じゃ~ん!」




「ああ、そうだっけ……」


じゃあないだろ~っ!
もう信じられな~い。






というわけで、このときから、
わたしのユインに求める日本語力は、


日本語の会話で人とコミュニケーションがとれ、
完璧に書けるところまではいかなくても、
常用漢字を読むことができるようになって、
日本語の本や新聞を読みこなせる程度の日本語力。


というこれまでの目標にくわえて、


ユイン。お母さんの心からのお願い。


ほとんど使う機会がないとはいえ、
いくら日本語だとはいえ、





自分の名まえくらい、

ちゃんと読めるようになって

ちょうだいねっ!






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