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開いた口がふさがらない
2008/01/17(Thu)
ある夜の、わたしとユインの会話……。


「ユイン。『開いた口がふさがらない』って、
どういう意味か知ってる?」



首をひねっている。
まあ、そうだろう。
けれども、自分なりに考えてみたようで、


「う~ん。しゃべりすぎることかなあ」


「その逆だよ。何かしゃべろうと思っても、
口を開けたまま、もう言葉が出なくなっちゃったとき、
『開いた口がふさがらない』って言うんだよ」



「びっくりしたってこと?」


「ううん。あきれ果ててしまったってこと。
今日のユインの調理実習のことだよ。
母さん、もうほとほと『開いた口がふさがらない』んだよね~」



だから、何とかしておくれよ~。
と、訴えかけられていることは理解できたようで、
ふ~ん。そうなのかあって顔をしているユイン。


でも、だからって、何とかしなくちゃあって自覚の方は、
どうやら、まったくないらしい。


「ふえ~ん。ユイ~ン。
母さんの開いたままの口、いつになったら、
ふさぐことができるの~?」



それというのは、以前ご紹介した調理実習の
その翌週の調理実習のことなのでありました。


今回のメニューは、スポンジフラン。
スポンジケーキに、
ゼリーで固めたフルーツが入っているケーキ。


前回の忘れ物の1件が記憶に新しいので、
今回は、自覚をうながすために、買い物から、
しっかりとユインにやらせることにしたわけです。


といっても、スポンジケーキの材料は家にあるので、
必要なものは、ゼリーの素とジュース、
それから、フルーツ。


フルーツは、生でも缶詰めでもいいということなのですが、
ユインが選んだのは、缶詰めのパイナップル。


それとは別に、わたしはわたしで、生クリームケーキを作るのに、
いつもケーキのあいだにはさむことにしている
ピーチの缶詰めを買ったのでした。


そして、いよいよ、調理実習の前夜。
いつものように、調理実習の材料も容器類も、
とにかく冷蔵庫に入れておかなくてもよいものも
全部まとめてひとつの袋に入れ、


朝は、冷蔵庫の中から、その袋ひとつを
引っぱりだして持っていけばいいようにしておくようにと
きつく言いわたしたのでした。


「はぁ~い」


と返事はしたものの、いつものことながら寝る直前になって、
キッチンでごそごそ準備をしはじめたユイン。


仕方がないので、少しは手伝ってやることにしたのでしたが、
本人がリストを手に準備をしているので、
わたしは、リストと材料を照らし合わせることまではしませんでした。


だいたい、準備だってひとりでやらせるべきだと思いつつ
手を出してしまったのですからね。
たしかに砂糖や小麦粉など計量の必要な材料もあるにしろ、
それにしても、どうして材料そろえに30分近くもかかるのかなあ~。


ま、ともかく、こうしてやってきた調理実習当日の朝、
まず冷蔵庫からそろえた材料を取り出させ、
足もとにおかせてから朝食をとらせ、


それから、ユインがその材料の入った袋を、
しっかりと持って登校していく後ろ姿を見送って、
やっとひと心地ついたわたしなのでありました。


そして、どんなケーキを持って帰ってくるか
ユインが帰ってくるのを楽しみに待っていたところ、


その午後は、ディベートクラブがなく、
3時には、スポンジフランを入れたパイレックスの容器を
大事そうにかかえたユインが帰ってきたのでした。


「どう、おいしそうでしょ」


と言ってケーキを見せるので、

P1010004a.jpg


「なかなかうまくできてるじゃ~ん」


実際、このスポンジフラン、
ほんとうに、ユインが作ったの?
と思うほどおいしかったのでしたが、
実は、ここからが問題……。


「でも、みやこちゃん。ぼくの買った缶詰め、
パイナップルだったの覚えてる?」



「うん。覚えてるよ」


「じゃあ、どうして、このスポンジフランのフルーツは、
パイナップルじゃあなくてピーチなんでしょうか?」



「んっ」


ほんとうだ。オレンジゼリーの中に閉じ込められているのは、
パイナップルじゃあなくてピーチじゃあないの。


「もしかして、ユイン、まちがえて、
母さんのピーチの缶詰め、学校へ持っていったの?」



そりゃ、あんまり~。


「ううん。持っていかなかったよ」


って、じゃあ……。


「パイナップルの缶詰めを忘れていっただけだよ。
だから、学校で、ピーチの缶詰めもらったんだ」



な、な、なんだって~っ! 今週も、またなのかあ~っ。
昨日の夜、材料全部そろえてたんじゃあなかったのかあ~っ。
リストの紙とにらめっこして材料集めてたんじゃあなかったのか~っ。


でも、もしかすると、この年ごろの男の子は、
けっこう忘れ物をしたりするものなのかもと思いなおし、
念のため、


「ユインのほかにも、だれか材料忘れてきてた子いた?」


すると、ユイン、すずしい顔して、


「ううん。クラスの中で、ぼくだけだったよ」


「ええっ。そうなの~」


「まあ、でも、だいじょうぶだよ。
材料忘れても、点数は引かれないからさ」



そういう問題じゃあないだろ~っ!


「でも、エプロン忘れたら、点数引かれるけどね」


「そうか。じゃあ、点数は引かれなかったってわけなんだね」


「ううん。引かれたよ。ぼく、今日は、エプロンも忘れたからさ」



「………………」





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