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クラス分けの英語能力テスト
2008/07/05(Sat)
初日の朝、学寮から英語研修のコースの行われる大学の講義棟まで
ミチコさんが案内してくれた。テルヨシさんの姿は見あたらなかった。
ミチコさんとテルヨシさんは、すでに6月からコースをはじめていて、
テルヨシさんの朝が遅いのはこの日にかぎったことではないらしかった。


まずは、7月のコースに出席する学生たちが大きな講義室に集められた。
教壇に立って何やら説明をはじめたのは、肩にかかるブロンドの髪をもつ
まだ20代の後半かと見える姿勢のきれいな魅力的な女性だった。


彼女の名まえは、バージニア・ウェスト。
英語研修を行っているイングリッシュ・ラングイッチ・ユニットで、
所長のグラハム・ペリー氏を補佐する第2番めの地位にあったのだけれど、
実質、彼女が英語研修コースの運営をになっていた。
(ということは、あとで知った)


教壇に立つ彼女の容姿、どこかで見た覚えがあるような――。
ツンととがった形のいい鼻先が、今にも、ぴくぴくと動きだしそうだ。
そうだ! アメリカのコメディードラマ「奥様は魔女」のサマンサ。
サマンサをもう少し若返らせてもう少し美人にしたら、
バージニア・ウェストになる。


そんなことを考えていたら、机の上に英語のテストが配られていた。
困ったことにそれまで英会話など習ったことのなかったわたしには、
バージニアの説明がわかったりわからなかったりだったのだが、
この英語のテストの結果で明日からの授業のクラス分けがなされる
ということだけはわかった。


なんだ。こんな程度の問題かと思って取り組みはじめた英語のテストは、
問題を追うごとに加速度的に難しくなって、
制限時間内に座席を立って講義室を出ていく学生もあったというのに、
テストの終了時間が告げられたとき、わたしの答案用紙には、
まだ埋まっていない空欄が気が滅入るほどたくさん残っていた。


その後、英語研修に参加する学生全員が別の教室に集められ、
インタビュー用紙が配られた。仕事をしているか、それとも学生か?
どんな国を訪ねたことがあるか?好きな食べ物やスポーツ、趣味は? 


といった質問が書かれている用紙に初対面同士がインタビューし合って
聞いた内容を書き込んでいく。けれども、名まえを聞いてはいけない。
インタビューが終わった用紙は回収され、再びアトランダムに配布される。


自分の手もとに配られた用紙に書き込まれた回答に符合する人物を求め、
再び、初対面同士のインタビューがはじまる。
手もとのインタビュー用紙に合致する本人が見つかると、
名まえを聞いてインタビュー用紙に書き込むことができる。


けれども、それで終わりではなくて、今度は、別のだれかをつかまえて、
インタビュー用紙の内容もふくめてその人物を紹介しなければならない。
たどたどしい英語を駆使して、わいわい聞きまわっているうちに、
初対面の学生同士がじょじょに顔見知りになっていくのだった。


英語研修のコースに参加している学生は千差万別だった。
英語圏以外のヨーロッパの国々(スペインとドイツが多かった)、
中東や東アジアの国々から年齢もさまざまな学生が集まっていた。


秋からこの大学の学生や院生になる長期戦の学生もいれば、
自国の大学の夏期休暇を利用して個人やグループで
参加している大学生たちもいた。


また、大学を卒業して仕事をはじめるまでの期間や、
仕事の夏期休暇を利用して英語を習得しようと
参加した社会人の学生たちもいた。


みんながお国訛(なま)りの英語を話すので、
外見上の民族的な特徴と考え合わせると、
その人が何人かということがだいたい選定できるのだった。


けれども、何しろ手あたり次第に少しずつ声をかけ合うだけなので、
ひとりひとりの名まえと顔を一致させるのは、
とくに記憶力の乏しいわたしにとっては到底無理な相談だった。


とはいえ、体格の大きなヨーロッパ人に埋もれるようにして、
ちょこまか走りまわっていたわたしにも、
初対面の国際色豊かな学生たちの中にひとりだけ、
ちょっと気になる存在として印象に残った人物がいた。


それは、わたしと視線の高さもそう違わない
浅黒くて彫りの深い中東系の顔にムスタッシュ(口ひげ)をたくわえた
イラク人の2人組みの学生のひとりだった。





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