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英語の授業がはじまった
2008/08/12(Tue)
今日のお話は、わたしがはじめてイギリスへやってきて、
イアンと出会った夏のできごとを書きつづっている
「はじまりの物語」の中のひとつです。
最初から読んでみようと思われる方は、こちらから……。



英語研修コースの授業初日の朝、
掲示板に貼り出されたクラス分けの名簿で自分のクラスを確認し、
指定された教室にむかった。


先生の名まえは、ゴールディ・ギボンズ。
直毛のブロンドを化粧けのない丸顔のてっぺに無造作に結いあげた
ぽっちゃり体型の気さくで豪快な雰囲気の女性だった。


ふだんはサリー州の語学学校で英語を教えている。
夏のあいだだけこの大学の英語研修コースの先生をしながら、
ウェールズ観光を楽しもうとワーキングホリデーにやってきたのだった。


ゴールディだけでなく、所長のグラハム・ペリー、
その直属のバージニア・ウェスト以外のクラス担任はみんな
夏休みのコースだけの臨時雇いの先生たちだった。


このあけすけでまったく飾り気のないゴールディと、
知的でいつも落ちついた笑みをうかべているバージニアには、
ブロンドの髪以外の共通点は見いだせないようだったけれど、
2人は独身で、しかも同い年らしかった。


どこからか彼女らの年齢はつきとめてきても、
クラスのだれもわたしの年齢は聞いてこなかった。
ゴールディとバージニアだけではなくわたしも同い年だと知ったら、
まちがいなくわたしも休み時間の話題にのぼっていたにちがいない。


当時、わたしは年甲斐もなく長い髪をみつ編みにしていた。
けれども、そればかりではなく年相応の人生経験なりものの考え方を
身につけていなかったからでもあり、わたしの口から出る英語が
あまりにもたどたどしく幼稚なものであったからなのだろうけれど、


わたし自身はクラスの中では自分が最年長なのではと思っているのに、
どうやら最年少だと思われているふしがあった。
とは言え、日本の外に住む人々は人とつき合うときに
日本のような年齢によるわけへだてをしないものだということを知った。


クラスの学生にはあきらかに年齢の大きなばらつきがあったけれど、
先生をふくめておたがいをファーストネームで呼び合い、
目上とか目下といった意識の感じられないのが新鮮で心地よかった。


クラスメンバーには顔見知りもいた。
コートマウワーの同じブロックの住人である
弁護士志望のタイ人のベンとインドネシア人のユウォノゥさん。
ユウォノゥさんもベンと同じく秋から大学の正規の学生になるのだと聞いた。


専攻は図書館学で新婚の奥さんを国に残しての留学なのだった。
新婚にしては縮れた毛髪に白いものもまじっている小柄の
しっかりと色の黒いおだやかでおとなしい人柄だった。


その他のクラスメートは寮は同じでも同じブロックではなかったので、
顔は知らなかった。
掲示板でひかえていおいた名まえと顔を一致させようとがんばる。


大柄でブロンド、青い目をした華やかで明るいドイツ人ぺトラ。
細身の長身、カリーヘアでクールな雰囲気をもつスペイン人カーラ。
大柄で黒い髪にブラウンの目、
ひかえめな感じのギリシア人アナスターシア。


1番背が高くて目だつけど物静かなタイプのスペイン人ルイス。
黒いくせ毛におだやかな笑みをうかべているキプロス人、
名まえも楽しいカーラランボゥス。
細身でブラウンの髪に空色の目をギョロつかせているドイツ人アディ。


テキストを読解する授業には何とかついていけたけれど、
リスニングはまったくお手あげだった。
さらにディスカッションにいたっては、
よりによって初日から国際問題なんかをディスカッションさせる。
最初から最後までひと言も口をさしはさめなかった。


だとしても、


「ミヤコの声が聞こえな~いっ!」


だなんて声を張りあげなくてもいいじゃあないか、ゴールディ。
たぶん、わたしはクラスの中で1番めだたないことで
1番めだっていた。


そんなわたしも文法の時間だけはひと息つくことができた。
能動態と受身の文を過去、完了、未来形に書きかえる。
つい先ほど流暢な英語で喧々諤々(けんけんがくがく)の議論を戦わせていた
クラスメートたちがどうしてこんな問題に悪戦苦闘しているのか。
さっぱりわけがわからなかった。


結局、わけがわからないまま午前中のクラス別の授業は終わった。





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