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夢が住みついた耳
2007/05/01(Tue)
それは、とある週末の夜のこと、
わたしたち一家3人で、
UDON」という日本映画をみたのでありました。


讃岐(さぬき)生まれの主人公は、
うどん玉をつくる製麺所の長男、
けれども、がんこ一徹な父親と地味な家業をきらい、
コメディアンになって世界を笑わせるという大きな夢を抱いている。


その主人公のガールフレンドは、
讃岐のタウン誌のライターをしながら、
いつか自分の本を出版したいという夢をはぐぐんでいる。


映画を見終わったユインの第一声、


「あ~。うどんが食べたいなあ~」


たしかに、半透明に透けるもち肌の
シコシコ腰のありそうな本場の讃岐うどんを
いかにもおいしそうにかけこむシーンが
あちこちにちりばめられているこの映画、


日本を離れて暮らしている身には、
けっこう、目の毒なのであります……。


ですが、その一方で、わたしが考えていたことは、
これまで自分の夢については、
何度とはなく話したことがあったけど、


イアンの夢の話については、
まだ1度も聞いたことがなかったなあ
ということなのでした。


そこで……。


「ねえ、ねえ。イアンちゃん。
イアンちゃんの夢って、何……?」



なんて、
そんなこと、唐突に聞かれても、
きっと、返事に困っちゃうだろうなと思っていると、


ほんの一瞬、
ちょっと思いをめぐらすような表情をうかべたかと思うと、
イアンは、あっさりと、こう答えたのでした。


「リタイヤして、
毎日、みやこといっしょにすごすこと……」



へっ……!?
言葉を失ったわたしの顔を、
それがどうかしたかいという目でのぞきこむので、


「ねえ。ユインは?
ユインの夢は、何……?」



とっさに、
ユインにふってしまったわたし。


「うん? ぼく?」


ユインは、イアンよりは少し長く考えこんで、


「アーキテクト(建築技師)になることかな~」


と、答えたのでした。
サムライかソルジャー(兵士)になる、から、
レゴデザイナーやゲームソフトを作る人になり、
まあ、13歳としては、順当な夢ってとこかな。


「かなりむずかしいみたいだけど、
なれるといいね。アーキテクト……」



「うん」


屈託のない声をあげて、うなずいたユイン。


そして、そのあと、
おたがいの夢の話も、うどんが食べたい話も、
うやむやのまま終わりになってしまったのだけれど、


その夜、おやすみを言ってベッドに入ったあとも、
その次の朝、目がさめたあとも、
そして、そのあとの日々もずっと、


イアンが自分の夢だと言った、あのひと言が、
わたしの耳の中に、
ひっそりと住みついてはなれないのです……。





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