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しあわせの青い鳥が羽ばたくまでに
2008/09/24(Wed)
「ほんと? ほんとうに、
だいじょうぶだったの?」



「うん」


「ほんとう? ほんとうのほんとうに、
だいじょうぶだったんだよね?」



「うん、だいじょうぶだった」


ほんとうのほんとうのほんとうに?
何十ぺんでも、何百ぺんでも、
1日じゅうでもたずねつづけて
くり返し同じ答えを聞きていたかったのでした。


そのときの電話のむこうのイアンの声には、
嘘のかけらもまじってはいないとわかっていたのでしたが、
わたしを安心させるおだやかな力にあふれていて、


まさかまちがっても聞けるとは思っていなかった
イアンの言葉がわたしの耳に注ぎこまれるたびに、
あたたかな幸福感がわたしの全身を包みこんでいくのを感じるのでした。


その夕方、イアンはふだんと同じ時刻に、
ふだんと同じようすで仕事から帰ってきました。


午後は、頭痛も気分の悪いのもおさまって
テレビを見たり、本を開いたりしはじめたユインの目の下から
悲そうなクマも影をひそめて、


わたしたち一家は、
その日1日のことがまるで嘘であったかのように、
ふだんと変わらない夕食のテーブルをかこんだのでした。
それがどれだけありがたいことであるかを感じながら……。


イアンと出会った日から、
いいえ、それ以前、子供のころからずっと、
わたしはちゃんと気がついていたのです。


わたしのしあわせの青い鳥は、
どこか空の遠いかなたではなく、
自分の手のひらの中にいるのだと。


空のかなたの高みに青い鳥を追い求めなくてもいい。
だって、しあわせは人それぞれなんだから。
わたしにはわたしだけのしあわせがある。


そう思ってひとりでいたら、
ある日、イアンに出会ってしまって、
気がついたらユインにも恵まれて、


思えば、わたしのしあわせの青い鳥は、
今までずっと、この手のひらの中で
しあわせの歌をさえずりつづけていてくれたのでした。


そして、今回も、さえずるのをやめないでいてくれた。


だけど、それはいつまでもつづくわけじゃあない。
ある日、突然に、青い鳥がこの手のひらから羽ばたいて、
わたしには永遠に手のとどかない空のかなたへと
飛びさってしまうことだってあるのだと、


わたしは、今回、はじめて気がついたのでした。


だから、気まぐれな青い鳥が、
空のかなたへ羽ばたいていってしまうまでに、
わたしにはなしとげなければならないことがあるのです。


湖水地方のコテージで、
眠れずにすごした一夜に決心したこと。


イアンがわたしをしあわせにしてくれていることに
これまでずっと感謝はしてきたけれど、
わたしがイアンをしあわせにしてあげなくっちゃあと
思ったことはなかったから、


何をどのようにすればいいのかは、
まだこれから考えなければならないのだけれど……。



これからは、
わたしがイアンをしあわせにしてあげる。













(1か月あまりにおよんだわたしの不安の日々に
長々とおつき合いいただき、ありがとうございました。
今回をもって、悲しいお話はおしまいです。


今回の一連のお話を途中からごらんいただいて
話のすじがよくわからない場合は、
以下の順に読み進んでいただけますように。

宇宙のはじまりとわが家の終わり?
まずは、ことの発端から
結果は、白でも黒でもなく、赤
突然の不幸にみまわれたとき
眠れない長い長い夜のはてに
楽しいことが悲しくて
災難よ、こんにちは
しあわせの青い鳥はこの手の中に
しあわせの青い鳥が羽ばたくまでに


次回からは、いつもの愉快なわが家のエピソードを
ご紹介していこうと思っています。
今後とも、よろしくお願いいたしま~す!)





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