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秋の深まる森林公園の散歩道で
2008/11/11(Tue)
比較的お天気のよかった今年の秋だったのですが、
じょじょに平年の暗くてじめじめとした天候が到来し、
典型的なイギリスの秋の深まりを見せている今日このごろ。


先週末も、
朝からどんよりとした灰色の雲が空全体をおおっていて、
ガラス窓に引っかき傷のようにはりついたのは、
あれっ、雨……?


それでも、
すでにジャケットをはおっていたわたしたち一家、
ま、でも、とりあえず出かけてみるか。


と、幸運ななりゆきを期待して、
となり街の郊外にある森林公園の散歩コースへと
車を走らせたのでした。


小ぬか雨が車のフロントグラスをけむらせる中、
まあ、このくらいならとウォーキングブーツに履きかえて、
すでに8割がた木の葉を落としている樹間の散歩道へ足をふみいれると、
足もとには、ぬれ落ち葉と散りしいたどんぐり。


ひっそりと静まって動くものの影もない林の小道をいくと、
木の葉のとぼしい木立のむこうから、ふいに、
何か飛び出してきたと思ったら、犬……。
そして、犬の飼い主……。


しばらくいくと、また、犬。
そして、また、犬の飼い主……。
犬の種類や飼い主はさまざま。
いったん通りすぎてしまえばもう覚えていない。


だけど……。


犬連れの父親と、
よちよち歩きの子供の手をひいた母親とすれちがったとき、
犬連れの父親に、「ハロー」と声をかけられたので、
「ハロー」と返して行きすぎたあと、


少し歩いたところで、


「あの人、どこかで見たことあるよね」


と、ユインが言うので、


「テレビに出てた?」


まさかね、と思いながら言ってみた言葉に、


「うん」


という答えが返ってきた。
そして、やっと思い出したといった口調でユイン、


「『ルックノース(BBCの地方局のニュース)』に出てるレポーターだよ」


あっ。そう言われれば……。
ふり返ってみても、もうその姿はないのだけれど、
たしかにそうだった。


テレビのニュース画面の中では、ニコリともしない
(って、まあ、ニュースの多くは深刻だったり悲惨だったりするから、
そうそうニコリともしてはいられない事情もあるのだろうけれど)
あのレポーター、ふだんは愛想のいい人だったんだ。


と思ったら、ふと思い出したのでした。
クリスマスカードを買いにいったのだから、
それは、ちょうど1年前の今ごろ、
とあるショッピングセンターで……。


わたしのわき腹をひじでこづいて、


「ほら、あそこに『お天気おじさん』がいるぞ」


と、ささやいたイアンの視線の先を見ると、
ほんとうだ。


「ルックノース(BBCの地方局のニュース)」の最後に出てきて、
まだそんな年恰好でもなさそうなのに頭のてっぺんまで広がった額を
てかてかと光らせながらいつもこやかに天気予報を告げる
笑顔がトレードマークのお天気おじさんがいた。


息子らしき、7、8歳くらいの男の子を連れている。
やっぱり、イアンやわたしが「お天気おじさん」と呼ぶのは、
失礼な年齢だったんだと思う一方で、
もっと驚いたことには、


いったい、何がそんなにおもしろくないの?
と聞きたくなるくらい苦虫をかみつぶしたような顔をしている。
そのせいで、テレビ画面で見るいつものソフトタッチで
人のよさそうな人相まで変わって見えてしまったのだった。


気がついたら小ぬか雨の雨つぶが
木の枝に必死にすがりついている
木の葉をゆらすほどに大きくなっていて、


なのに、いく重にも重なる雲のヴェールの層をすかして、
あわいお日さまの光が行く手にまたたくもので、


「どこかに虹が出てるよ」


と、ユインはあたりをキョロキョロと見わたすのでしたが、
木の葉を落とした無数の枝先が灰色にけむる空を
つき刺しているのが見えるばかり。


まぶかに帽子をかぶり直すと、
森林公園の散歩道の出口へと散歩の足を速めた
わたしたち一家なのでありました。





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