夢からさめたスコットランドの空と湖
2008/12/08(Mon)
スコットランドでかつて遭遇したことのない
過激な陽気に恵まれて一家でゆだってしまった翌朝、
雨がキャラバンの屋根をたたく音に目をさましたのでした。


いったんは無残にとろけていた大量のチョコレートが
とろけた形のまましっかりと固まっていて、
窓の外に広がるのは、低くたれこめる鉛色の空。


ま、まさか、こんなはずでは……。


1日待てば暑さもいくぶんやわらぐだろうから、
とにかくお天気の悪くならない先に、
今回のホリデーでは、てっぺんをきわめようとやってきた
イギリス最高峰


「ベンネビス山に登ってしまおう〜っ!」


と決めて、前夜は眠りについたのでしたが、
一夜にしてこんなお天気に様変わりしてしまうとは……。


ですが、泣く子とお天気だけには勝てませぬ。
ベンネビス山登頂はまた別の日にゆずるとして、
この日は、イアンが今回のホリデーで訪れてみたいと思っていた
カローデン(Culloden)の古戦場を訪れることにしたのでした。


カローデンは、イギリス内地戦、最後の戦場となった場所で、
ネス湖からそそぐネス川の河口にあるハイランド唯一の都市
インヴァネス(Inverness)の近郊にあるのだとのこと。
わたしたちが滞在しているグレンコー近くのオニッヒ村からは
車で北東へ3時間ばかりの距離。


それじゃあ。
ネス湖へ寄ってネッシーの顔を拝んでこよう〜。
カローデンの近くにはブロディー城ってお城もあるみたいだから、
そのお城も見てこようよ〜。


と、話がまとまったのでしたが、


わたしたち一家がまずたち寄ったのは、
ハイランドの拠点の町フォートウィリアム(Fort William)の北東にある
第二次世界大戦のときに特殊部隊コマンドーの訓練の行われた場所
スピアンブリッジ(Spean Bridge)。

IMG_0789a.jpg

小高いスピアンブリッジの訓練場あとに建つ記念碑。
戦争で命を落としたコマンドーたちの霊を慰霊するために建てられ、
1952年9月にエリザベス女王によって除幕されました。


このスピアンブリッジの碑を訪れるたびに、
いささか複雑な思いにとらわれるわたしなのですが、
今回も、


たとえイギリスと日本とが敵国同士になることはなくても、
将来にわたってこのような慰霊碑の建てられる歴史が
くり返されませんようにと願わずにはいられないのでした。


まだ地面はあちこちに水たまりができていたものの、
その水たまりに無数の輪っかをつくっては消えていた雨も小降りになり、
いつしかあがっていたのでした。

IMG_0785a.jpg

あらためて考えてみると、
夏でもじっとりと湿気があって肌寒く、
厚い雲におおわれた空にお日さまの顔がおがめることは稀で、
山々は白い霧の衣をまとっているハイランドの景色、


「これがほんとうのハイランドなのよね〜」


と思ってあたりをみわたすと、
前日までの青い空にぽっかりと白い雲のうかんでいる
スコットランドの空が夢の中のできごとのようで、


今朝は、ほんもののスコットランドの空の下で
目をさましたように思えてきたのでした。


そ、それにしても、いったい、これは何……?

P1020541a.jpg

くねくねとくねる田舎道が
ひっそりとたたずむネス湖(Loch Ness)の西岸を走りはじめると、
視界が白いもやに包まれはじめるのでした。


そのうち、五里霧中、いえいえ、
とても五里どころか数十メートル先さえ白くぼんやりとかすんで、
ネッシーが最もよく目撃される場所と言われるネス湖岸に建つ
アーカート城(Urquhart Castle)の遺跡までくると……。

P1020532a.jpg


ダメだ、こりゃあ〜!


ネッシーどころか、アーカート城の姿も
濃い霧の中にうつろな影のようにたたずむばかりなのでした。
わたしたち一家、ネス湖を訪れるのは、
実は、これで3度めだったのでしたが、


結局、恥ずかしがり家のネッシーには、
今回も出会えずしまいに終わってしまったのでした。


んっ!? でも、あれって、

P1020539a.jpg

と、霧にかすむ湖上に目をこらしてみると、
うっすらと動くものがあったのはネッシーを探索する
遊覧船だったのでありました……。










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