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最近、もっとあ然としたこと
2009/11/27(Fri)
あの最近、あ然としたことから、
1か月あまりの月日がたち、
あと10年はパスポート用の写真を撮る必要はないものの、


たとえパスポート写真を撮る必要はなくても、
もうどうにも収まりのつかなくなってしまったザンバラ髪を、
今度こそはバッサリ処分してしまおうと、


今月の半ばには、
タイへの里帰りから帰ってきているはずの
わたしのヘアドレッサー、
ワナポンの自宅へ電話を入れたのでした。


そしたら、留守電だったもので、
用件とわたしの電話番号を残しておいたのですが、
なしのつぶて……。


まあ、仕方ないわよね。
向こうは、もうお店もたたんでしまっているというのに、
こちらが自宅まで押しかけて、
髪を切ってくれっていうんだからと思い、


翌日に、再び電話を入れたわけなのでした。
そしたら、再び、留守番電話……。
その夕方も、三たび、留守番電話……。


そこで、今夜こそはと、
いささか遅めに電話を入れてみたところ、


やっとつながった~!


と思って勢いこんで話そうとしたら、
受話器の向こうから聞こえてきたのは、
男性の声……。


でも、1か月前に話した
ワナポンのご主人の声とは
どこかちがうような~。


「あの~。
わたし、みやこといいますが、
ワナポンいますか?」



とりあえずそう聞いてみたところ、
答えは、1か月前のワナポンのご主人と同じ。


「ワナポンは、いないよ」


ええ~っ。
まさか、まだタイから帰ってきていないとか?


「でも、待って。
彼女のケータイの番号ならわかるから」



そ、そうですか。
でも、遊びに出てるなら、
その先に電話を入れるのも悪いような~。


などと思っているうちに、
自分のケータイに入っているワナポンの
電話番号を教えてくれたのでした。


それにしても、この親切な方は、
いったい、どなた……?
そのわたしの心の中のつぶやきが、
まさか聞こえたはずないのに、


「ところで、
ぼくは、ワナポンの
ステップサンなんだ」



あっ、そうでしたか。
ステップサンとは、義理の息子のこと。
つまり、ワナポンのご主人の
前の結婚で生まれた息子さんってことですね。


そう言えば、
1度だけ見かけたことのあるワナポンのご主人は、
もういい年の息子があってもおかしくないほどの
お年の方のようにお見受けしました。


お礼を言って電話を切ったわたしは、
ちょっと躊躇したものの、
でも、今度こそは、この髪何とかせねばと、
ワナポンのケータイに電話をかけてみたのでした。


何度めかの呼び出し音のあと、
電話のつながる音がして、
聞こえてきたのは、
今度こそ、ワナポンの声……。


ですが、
いつものあっけらかんとした
威勢のいい声ではなかったので、


もしかすると、やっぱり、
電話を受け取りたくない場所にいるのかもと、
いささか気がとがめたので、


「ごめんね。わたし、みやこよ。
もし、今、お取り込み中だったら……」



明日、また、かけ直すね。
と言おうとすると、


「今、わたし、病院にいるのよ」


えっ。び、病院……!


病院って、ケータイのスイッチ、
切っとかないといけないじゃあなかったけ?
えっ、えっ。わたし、このまま話してていいの?


いったい、わたし、どうしたらいいの~?


判断がつかないまま
おろおろしているわたしをよそに、
ワナポンの声がつづけたことには、


「わたしに髪を切ってほしかったんでしょ」


うんうん。そうなんだけど、
今、話していていいのかな。
でも、あなた、いったいどうして、
こんな時間に病院なんかに?


だれかのお見舞いにしては
時間が遅すぎるような気がするし、
もしかして、だれかに付き添ってるの?


「忘れていたわけじゃあないのよ。
急にタイに帰ることになってね。
連絡したかったんだけど、
あなたの電話番号がわからなかったのよ」



ああ、そうだったんだ。
ワナポンは、わたしのヘアカットのこと
ちゃんと覚えていてくれたんだ。
よくする物忘れをしてたわけじゃあなかったんだ。


そう言えば、わたしは、
ワナポンの自宅の電話番号を知ってるけど、
ワナポンはうちの電話番号知らないんだった。


「ところで、どうして、
わたしがタイに帰ったかっていうとね」



なんて言うので、
ケータイで話していていい状況なのかどうかを
問う機会を失ったまま、
受話器を耳におしつけていると、


「母が亡くなったのよ」


そして、そのあと、
ワナポンがつづけて言ったことには……。


「そしたらね。こちらに帰ってきたら、
今度は、主人が亡くなったの……」



完璧に言葉を失ってしまったわたしに、
ワナポンに似合わない
沈んだ声が告げたことには、


「だから、ショックでね。
病院に入院しなければならなくなったの」



えーっ。
ど、どうして、
たてつづけにそんなことが……。


「わたし、あなたに何を言ったらいいのかわからない」


そのとき、わたしに言えたことは、


「わたしも、あなたに何を言ったらいいのかわからない。
あなたに、そんな大変なことがおこっていたなんて……」



そのあと、
ワナポンもわたしもしけた声同士で、
しばらくわけのわからない会話をつづけて、


「じゃあ、2週間くらいたったらまた電話して。
きっと、そのころにはうちに帰ってるから」



ワナポンは、わたしの髪を切る予約を
すっぽかしたことを申し訳なさそうにそう言うので、


「いいのよ。いいのよ。わたしの髪なんて。
1か月後だって、1年後だって。
あなたが元気になって帰ってくるの待ってるから。
とにかく早く元気になってね」



そう言って、
そっと受話器をおいたのでした。


母国とこの国の
それぞれのよるべであった大切な人を、
突然に、しかも、ほぼ同時に、
亡くしてしまったワナポン。


その、明日はわが身かもしれない
ワナポンの、今の、身の上を思うたびに、


いったい、これからどうするんだろう……。


と、


半分自分にむかって問いかけてみると、


われ知らず、
やりきれなく深くて長いため息をついている
今日、このごろのわたしなのであります……。





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