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なつかしの散歩道メルクリッジ
2007/07/25(Wed)
この夏のあいだに、1度、メルクリッジ(Melkridge)の村を
訪ねてみたいと思っていたのでした。


だから、修学旅行へ旅だっていくユインを見送ったあと、
さて、じゃあ、ぼくたちは、これからどこに行こうかと、
イアンが聞いたとき、


「メルクリッ~ジ!」


待ってましたとばかりに答えたわたしなのでありました。
メルクリッジの村は、コーブリッジよりも、ブランチランドよりも、
もっともっと小さな村なのです。


15年前の夏に住んでいたホールトフィッスル(Haltwhistle)という町から
ぶらぶら散歩に出かけるのにちょうどよい距離にあったので、
イアンが仕事に出かけている日中、ちょくちょくひとりで散歩に出かけた、
わたしにとっては、なつかしい思い出のやどる村なのでした。


今でも、ときどき、村への散歩を思い出すことがあります。


広々とした緑の牧草地にかこまれた田舎道の道ばたの草むらに、
つやつやと黒曜石色にかがやくブラックベリーの実が
数珠(じゅず)なりにみのっているのが目にとまると、


つるのトゲに指をさされないように気をつけながら、
そっと指をのばし、熟した実を口に運ぶのです。
すると、ほんのり酸味のあるさわやかな甘さが口の中に広がって、


気がつくと、ブラックベリーの熟した実で、
指さきが紫色に染まっているのでした。
そのころには、すでに田舎道は、村の入り口に……。


古い石づくりのコテージが軒をつらねる道を、
アヒルの親子が列をつくって、左右に体をゆすりながら
水かきのある足をヨタヨタと運んでいるかと思うと、


あでやかな花のかざられたコテージの窓わくには、
置き物のような黒ねこがひっそりと背を丸め、
手持ちぶさたそうに、しっぽの先をゆらしているのです。


そして、そのむかいには、
「リトルチャペル」と「リトルチャーチ」という名まえのあがった
文字通りちいさくてかわいい教会が2つならんで建っていて、
その2つともが内部を改装され、民家になっているのでした。


田舎の小さな村の絵にかいたようなどかな風景の中に、
ひっそりと建つ教会のおうち……。
いつかこんな家に住むことができたらなあと思いながら、
その前を通りすぎると、


そのあと、すぐに反対側の村はずれに出てしまうので、
そこで散歩道をおりかえし、再び、教会の家の前をとおって、
バイバイと指先だけで別れをつげ、帰途につくのでした。


たぶん、その村のたたずまいは、15年たった今も、
ほとんど変わってはいないはずと心おどらせ、
久しぶりのメルクリッジの村へとむかったわたしなのでありました。


けれども、思い出というものは、
よせては返すさざなみが海辺の貝がらをみがきあげていくように、
記憶の海辺でまどろんでいるあいだに、
時の手によって丹念にみがきあげられ、
独自のきらめきをそえられていくものなのかもしれません。


とくに、今年のイギリスの夏はお天気が安定せず、
気温も低めだということもあったか、
道ばたのブラックベリーのしげみをのぞいてみると、
実は、まだ青く固いままで、


雨あがりの村の風景もどことなく元気がなく、
足もとの緑もしっとりとぬれそぼっているのでした。


それでも、雲間から青空がのぞいて太陽の光がふりそそぐと、
今は、15年前のアヒルや黒ねこの姿のない村の風景も
明るみをまし、生気をおびてかがやきはじめたのでした。







このあたりが村のまん中……。
広場をかこんで建つ家々。



そして、広場に面する道ぶちにおかれていた手おし車。





そのむかい側に建っている教会を改装したおうち。



正面。



もう少し角度を変えると、





そして、そのお隣にもう1軒、教会のおうち。



右側の入り口が、ちょっと切れちゃってますが、正面です。



横手から。



ステンドグラスをとおして、おうちの中へは、
どんな光がさしこんでいるのでしょうね。


教会の民家の先には、
少し大きめのコテージがつづいています。







コテージがとぎれると納屋があって、



そのむこうに、農家のゲートがあったので、



近よってのぞいてみると、



ポニーがいました。



そして、その先は、もう村はずれ……。


古い記憶の中で、思い描いていたメルクリッジの村と、
現在のメルクリッジの村とは、
鏡に映したようにうりふたつとはいきませんでした。


それでも、実際の村を歩いてみると、
すっかり忘れてしまっていた数々の記憶の断片が
ふいにうかびあがってきたりなどして、
やっぱり、とってもなつかしい思いにとらわれてしまいました。


「ねえねえ、イアンちゃん。ついでだからさあ。
ホールトフィッスルへも行こうよ」



まだまだ時間はたっぷりとあったので、
イアンとわたしが新婚時代のひと夏をすごした町
ホールトフィッスルへも足をのばして、
このあとも思い出散歩のつづきを楽しむことにしたのでした。





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