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君子、危うきに近よらず
2014/01/21(Tue)
「じゃあ、イヌとネコでは、どっちが好き?」


と聞かれると、
ユインの答えは、


「ネコ」 


というのは、
ユインがまだよちよち歩きのころ、
一家で近くの公園を散歩していたとき、
勢いよく跳ねまわっている子イヌに
飛びつかれたことがあった。


その経験がトラウマとなって、
以来、イヌの姿を認めると、
ユインは半径3メートル以内には
近づかなくなってしまった。


けれども、ネコは別。
それはわたしたち一家が今の家に引っ越してきた、
ユイン5歳の春のこと。


1匹のネコが
日がな家の前の通りを
パトロールしていた。


そのネコに出会うと
いっしょに道ばたにしゃがみ、
話しかけてみたり、なでてみたり。


ユインはすっかり
そのパトロールネコと仲よくなった。


ところが、
その同じ年の夏のある日、
パトロールネコと遊んで家に帰ってきた
ユインのようすがどうも普段とはちがう。


気分がよくないと言って
自分の部屋のベッドにもぐりこんだきり
起きてこない。


しばらくしてのぞいてみると
頭からふとんをかぶっていた。



「ユイン、寝てるの?」 


むっくりと寝返りをうったユイン。
そのまぶたがボンボンに赤く腫れあがって、
両眼、見るも無残なお岩さん状態になっている。



「ど、どうしたの、それっ?」


「わかんないよ~」


まぶたが腫れているせいで
薄めにしか開かない目で
情けなげにわたしの顔を見あげている。


大急ぎでお医者に連れていくと
ネコアレルギーの症状だと診断された。


その翌日には
ボンボンだった目の腫れも引いたものの、
以来、ユインはネコに近づかなくなってしまった。


何しろネコがひょいっとヒザにのっただけで
目をこすりはじめ、目に赤みがさしてくるのだから。


通りのこちら側の歩道にネコの姿を認めると、
通りを横切って通りの向こう側の歩道へ移動するほどになり、


ユインはイヌだけではなくネコにも
半径三メートル以内に近づくことはなくなった
(ただし、イヌの方は誰かといっしょなら大丈夫) 。


そんなユインが、
小学校4年生になったある日のこと。


朝、いつものように
学校へ持たせるお弁当のサンドイッチを
作っていたわたしに、


せっぱ詰まった口調で訴えることには、


「みやこちゃん。
どうして、今日のサンドイッチは
ピーナッツバターなの~?」



「ごめんね。
チョコレートスプレッド切らしてたんだよ。
次、スーパー行ったときに買っておくからさあ。
今日は、ピーナッツバターでがまんしてよ」



「ぼくはいいんだけど。
でも、アンディはナッツアレルギーなんだよ」



「ふ~ん。そうなの」


ユインの友だちのアンディが
ナッツアレルギーだとは知らなかった。


ナッツアレルギーは、
とても怖いと聞いたことはあったので、


「それは、アンディ、大変よねえ」


「そうだよ~。
だから、ぼくのお弁当、
ピーナッツバターはダメなんだよ」



「どうして?」


「だって、ぼく、
いつもアンディといっしょに
お弁当食べてるんだよ~っ!」



と、
ユインが言ったとき、
やっと気がついた。


「ユイン、もしかして、アンディは、
ピーナッツバターから半径3メートル以内の距離には
近づいてはいけないと思ってたわけなんだねっ!」











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イヌとネコとでは、どっちがかしこい?
2014/01/21(Tue)
答えが
わかりきっている質問なのに
してしまうことがある。


そのうえ、返ってきた答えが
わかりきっていると思っていた
自分の答えとちがっていることだってある。


例えば、


「イヌとネコとでは、
どっちがかしこい?」



わたしの答えは、
もちろん、犬。


理由は、
イヌは人の言うことをきくし、
介護犬や救助犬など
人の役立つ仕事をするイヌもいるから。


わたしでなくても、日本人なら、
まあ、こんなところが妥当な答えになるのでは
と思う(のですが、いかがなものでしょうか?)。


じゃあ、イギリス人なら?

 

思ったわけでもなかったのだが、


ある日、わが家のイギリス人に、
この質問をしてみたところ、


いとも、あっさりと、


「ネコだよ」


「えーっ。
どうして、どうしてよーっ?」



白と言えば、黒と言う。
黒と言えば、赤と言う。
いつものへ理屈がはじまるのかと思ったら、


そんなこと、
わかりきったことじゃあないか
というまじめくさった顔をして、
イアン、


「だって、ネコは
人の言うことになんかには耳もかさず、
自分のしたいことをしたいようにするだろ」



なるほど。
それも一理ある。


そう思った瞬間、
めまいにも似た
軽いカルチャーショックを覚えた。


英語にも、日本語にも、
おそらくこの世に存在するあらゆる言語の中に、
「かしこい」という言葉は存在するのだと思う。


けれども、
何を「かしこい」ととらえるかは、
それぞれの国や民族の歴史がはぐくんできた
固有の社会や文化、


また、その中で育ってきた
個人個人によっても異なる場合がありうる。


さらには、同じ「かしこい」が、
まったく正反対の意味合いをもった言葉として
使われる場合だってあるかもしれないということに、
そのとき、はじめて気がついた。


だから、


「イヌとネコとでは、
どっちがかしこい?」



と、
聞かれた場合、
今のわたしの答えは、


「どちらも、かしこい」


そして、その理由は、
イヌは人に従順である。
人の言うことを素直に聞き、
人の役に立つからかしこい。


ネコは自分の意思によって行動する。
人に服従することも、おもねることも
しないからかしこい。


ただ、その答えは
人によってちがうのだと思う。


やっぱり、イヌだという人もいるし、
いや、ネコだという人もいる。
その理由もさまざま。


最も重要なことは、
その異なる答えのそれぞれが
正解なのだということ。


この世には、
最大、人の数だけの
正解が存在しうること。


さらに、
そのそれぞれの正解が
尊重されるべきである


ということをいつも、
心にとめておくこと。


それが、
この国にきて、
わたしがイアンと暮らすようになって、
教えられたことのひとつなのである。


ためしに、
ユインにも
このイヌとネコの質問をしてみた。


すると、


「う~ん。ネコかな」


やっぱり、イギリス生まれのイギリス育ち、
「かしこい」という言葉の受けとり方は、
個人主義の確立している欧米派なのかと思っていると、


「その理由は?」


という問いに、


「だって、ネコは教えられたところで、
ちゃんとオシッコとかウンコするじゃん」



そうか。
イヌは飼い主が散歩へつ連れてって、
その途中でウンコ拾ってるもんね。


中には、
拾わないふとどきな飼い主もいるけれど。


「ってことは、ユイン、
トイレのしつけができるから、
ネコの方がかしこいってこと? 
だったらイヌだっていろいろなことするよ」




「そうだねえ~。そう言えば、
イヌの方が人の言うことよくきくよねえ~」



「そうだよ、そうだよ」


ということは、ユイン、
実は、ご恩と奉公の封建社会と儒教精神に根ざした
親日派だったのかと思いきや、


「じゃあ、ぼく、わからないなあ~」


あとは、ソファの上で
くねくね体までくねらせながら
首をかしげるばかり。


この深遠な問いの答えを極めるには、
まだまだ人生修行の足りないユインである。










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わたしの心の叫びを聞いて
2014/01/21(Tue)
ピンポ~ン!

 
あらら、
またセールスかチャリティーかなと思って、
玄関に出てみると、


「ガスと電気のメーター読みですが」


げげっ。
年に何回か 何の前ぶれもなく、 
ひょっこり現れるメーター読みのおにいさん。


セールスかチャリティーみたいに
追い返すこともできないので、
ちょっと厄介。


わが家のガスと電気のメーターは
キッチン内部の物置の
一番奥の片すみに入り込んでいるので、
これまた厄介。


というわけで、今回も、


「あのう。
ガレージの方から回っていただけますか?」



と言いながら、
玄関のゲタ箱を開け、


(イギリスの家の玄関には、
日本の家のような靴を脱ぐための
タタキのような部分はない。


何しろ家の中に靴はいてあがるのだから。
だが、シューボックスと呼ばれるゲタ箱は存在する。


ちなみに、わが家のゲタ箱は玄関にあるが、
家によっては、寝室におかれている場合もある。
服を着がえるのといっしょに靴もはきかえる
というわけなのだ)


さあ、ガスメーター読みのおにいさん、
その両の眼(まなこ)を、
カッと見開いて、
しかと見ておいておくんなせえよ。


と、
心の中で念をおしながら、
開けたゲタ箱からツッカケをとり出し、



いいですか。



いいですか~。




いいですかあ~っ! 




わたし、




ここで、

この足ふきマットの上で、

ツッカケはきましたよお~っ!





ということは、おにいさん。
このうちでは、家の中では、
靴ははかない生活をしているのだ
と察することができますよねえ。


そして、ここで、
わたしがガレージからキッチンへ
回っていただけますか。


と、
お願いした事情というのが、


あっ。そうか。
この家の住人は
家の中では靴をはかない
生活をしているのだから、


正面玄関から靴ばきのまま入ると、
じゅうたん敷きの玄関もローカも
キッチンへ行くのに通らなければならないリビングも、


どこもかしこも
泥だらけの足跡だらけに
なってしまうからなのだと、


家の中では靴をはかない生活者にとっては、
どこもかしこも泥だらけの足跡だらけは
耐えがたいことなのだと、


どうかお願いだから
お察しくださいましよねえ~っ。


とはいえ、わが家も、
ガレージの中は靴ばきでけっこうなんですよ。


さあ、どうぞどうぞ。
遠慮なさらずに、
ガレージドア開けましたからそのままお入りくださいね。



で、




ここです。ここっ!




ガレージの奥に
キッチンへあがる勝手口のドアが
あるのですけれど、


ドアの手前の地面と
キッチンの床に段差があるもので、


わが家ではドアの手前に
スノコをしいて
あがりかまちにしておりますの。


そして、
靴を脱いだ足が冷たくないように、
そのスノコの板の上にはカーペットの切れ端を
しいておりますのよ。




いいですか。
ガスメーター読みのおにいさんっ!
 




ここでもう一度力説しておきますが、
これはカーペットの切れ端ですよっ。


けっして、
足ふきマットじゃあないですからね。


と、心の中で、
せつせつとガスメーター読みの
おにいさんに訴えかけながら、


ガレージの奥のキッチンの勝手口の前までくると、
いったん、スノコの前で立ち止まり、
ふり返ってガスメーター読みのおにいさんに、
ニッコリ。



「こちらで~す!」


と、おあいそふりまくかたわら、
心の中では、再び、



いいですか。



いいですかあ~っ!




玄関ではいたツッカケ、
わたし、ここで、
このスノコのカーペットの切れ端の上に
あがる前に、



さあ、
このようにして脱ぎますよおーっ!



 
ここが、おにいさんっ。
一番肝心なところなんですからっ!





この一瞬を、けっして、
見逃すんじゃあありませんよ~~っ!





ほら。ほら。ほらねっ。
わたし、今、ツッカケ、脱ぎましたっ!




 
そして、
スノコの上のカーペットの
切れ端を靴下で踏みしめて、
キッチンへ上がりこみ、


ガスメーターがひそんでいる
物置のドアをひき開けると、


さあ、メーター読みのおにいさん、
おにいさんの求めるガスメーターは、
こちらで~す!



と、
勝手口の方をふり向くと、


そこには、


スノコ敷きのカーペットの
切れ端の上に立ち、


一生懸命に泥つきの靴の底を
カーペットにこすりつけている
おにいさんの姿が……。



そして、これだけきれいに
靴底の泥をふきとってあげたんだから、


ってな感じで、
ドカドカと靴ばきのままキッチンに
入り込んできたガスメーター読みのおにいさん。


それでも、まだ、キッチンの床に
くっきりといくつも靴の足あとがつきましたけど……。


あああっ。
声も出せないわたしのことなど、
まったく気がつかぬかのように
物置の奥に向かって身をかがめ、


懐中電灯を照らして
ガスメーターを読みとったおにいさん。
お仕事、ご苦労さまでした。


「サンキュ~」


「バァ~イ!」


立ち去っていく
おにいさんの後ろ姿を見送ったあと、


べっとりと泥のついたじゅうたんの切れ端と
キッチンの床の靴あとに目を落とすわたし。


今回のガスメーター読みのおにいさんにも、
やっぱり、わたしの悲痛な心の叫びは届かなかった
と、ガックリと肩を落とすのでありました。










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まさか……
2014/01/21(Tue)
わたしとユインが
ビデオで日本のドラマを見ていると、
イアンがとなりに腰かけた。


日本語のわかる二人だけで
楽しんでいるのも気が引けてきて、


面倒くさいなと思いながらも、
イアンのためにドラマの中の会話を
英語に訳しはじめた。


結婚式の最中に、
花婿の以前の恋人が現れて、


「わたしのお腹の中には、
あなたの子供がいるのよお~っ!」



と叫ぶ。


「おおっ、イアンちゃん。
『わたしのお腹の中には、
あなたの子供がいるのよお~っ!』だって」



と、
セリフを英訳したところ、


イアン、




「何だって! 
彼女、子供を食べたのかっ!?」










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しりとりしようよー
2014/01/21(Tue)
イアンが絶対に勝てないのは、
指ずもうだけではない。


しりとりをしても、
絶対に、勝てない。


それは、もちろん、


イアンの日本語の語いが
きわめてとぼしい


という理由によるのだけれど、
ただ、それだけではないのだ。


「しりとりしようよー」


と、ユインがわたしをさそうと、
やっぱり、イアンも入れてあげないとと思うので、


「ユイン、トーサンもさそってあげたら?」


「でも……」


「でも?」


「英語しりとりだったら」


ユインはいやなのだ。


なぜかと言うと、
イアンが毎回、「y」で終わる
英単語ばかりをユインに回すからなのだ。


だから、ユイン、


「トーサン。日本語のしりとりする?」


と、イアンに聞いた。


ユインが英語のしりとりには
うんざりしていることを
知っているイアン、


案外、すんなり、


「いいよ」


と、おうじた。


「じゃあ、ぼくから~」


ユインがはりきった声をあげる。


「しりとり~」


えっ……?


「ユイン、しりとりって、
『しりとり』って言った人の勝ちで、
それで、ゲーム終わっちゃうんだよ」



「知ってるよ。でも、
『しりとり』ではじめてもいいじゃん」



そうか、知ってたのか。


「じゃあ、まあ、
『しりとり』ではじめてもいいけど」



でも、
しりとりのルールを
まったく把握していない人もいる。


「じゃあ、ぼくが『しりとり』だから、
みやこちゃんは?」



「りんご」


と、わたし。
イアンの方をふり向くと、


「ゴ……」


と言ったきり、
口をひき結んでいるので、


「『ご』じゃあなくて
『こ』でもいいんだよ」



と、教えてあげる。


それから、
しばらく考えこんでいたイアンだったが、
ついに何か思いついたらしい。


快活な声をはりあげたのだった。




「ゴハンっ!」




やれやれ、


「イアンちゃん、
それはダメなんだって」



というわけで、
わたしは、もう何回も説明した
「ん」で終わっちゃあいけない
しりとりのルールをイアンに説明してあげた。


それじゃあ、というわけで、
もう一度、じっと考え込むイアン。



「ゴマ」


おおっ、
そんな日本語よく覚えていたね。
えらいよ。イアンちゃん。



「まんじゅう!」


と、すかさずユイン。


「『う』か。『うみ』」


と、わたし。
ここで、また、
ひたすら長いイアンの沈黙。


しかし、その沈黙が終わったとき、
イアンの発した声は底ぬけに明るかった。




「ミカンっ!」











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